目次
『憲法研究 第14号』
辻村みよ子(東北大学名誉教授) 責任編集
【目 次】
◆特集◆統治機構と憲法動向
企画趣旨:日本の議会制とその病理―「裏金問題」の最中に考える「政治の刷新」〔辻村みよ子〕
◆インタビュー
憲法学の拡がり―議会制度・憲法史・宗教制度
大石 眞 /(聞き手)曽我部真裕
■〈第1部〉議会・統治機構をめぐる憲法上の争点
◆1 国会・統治機構の現況と憲法をめぐる課題―解題を兼ねた現況の提示〔只野雅人〕
Ⅰ はじめに
Ⅱ 問題の諸相
Ⅲ 統制機関としての国会と憲法
Ⅳ 代表機関としての議会の正統性
Ⅴ 憲法秩序の維持・形成と国会―憲法改正をめぐる論点
Ⅵ 各論的検討の視角―解題
◆2 一票の平等についての思考実験〔品田 裕〕
Ⅰ 一票の平等を測定する指標
Ⅱ 一体的な議席配分方法の提案
Ⅲ 総合的な議員選出力評価の提案
Ⅳ 較差を見えにくくする他の制度的要因
Ⅴ まとめ
◆3 臨時国会の召集に関する憲法解釈の可能性〔高作正博〕
Ⅰ 臨時国会の不召集の違憲性
Ⅱ 議会の集会と召集行為の主体
Ⅲ 臨時会期召集の権限と義務
Ⅳ 政治規範としての意義
◆4 解散権と信任の関係についての2つのアプローチ〔岩切大地〕
Ⅰ はじめに
Ⅱ 政府による解散権の説明
Ⅲ 信任関係と解散
Ⅳ 結びに代えて
◆5 参議院の緊急集会と憲法動態〔大西祥世〕
はじめに
1 「不完全な国会」が生じる場合
2 国会閉会中の活動である,緊急集会
3 内閣による予備費の柔軟な活用の影響
4 国政選挙のひんぱんさによる,衆議院と参議院の接近
おわりに
◆6 現代財政における国会統制に関する諸問題―予備費と基金・資金を素材として〔木村琢麿〕
Ⅰ 予備費に関する諸問題
Ⅱ 基金による補助金等の支出に関する諸問題
Ⅲ 国の資金の規律に関する基本的な視点
◆7 地方議会の存在意義―議会復権のための条件とは?〔大山礼子〕
Ⅰ 自治の根幹としての地方議会
Ⅱ 制度改革の動向
Ⅲ 議会復権の条件
◆8 憲法改正国民投票における熟議の可能性―オーストラリア2023年国民投票に学ぶ〔福井康佐〕
はじめに
Ⅰ 憲法改正国民投票における熟議への誘導
Ⅱ オーストラリアの憲法改正国民投票の制度
Ⅲ 第一段階(発議)
Ⅳ 第二段階(国民投票運動)
Ⅴ 第三段階(投票と成立要件)
むすび―2023年国民投票の教訓
■〈第2部〉各国の議会・統治機構をめぐる現況と課題
◆9 未完のperfect union―アメリカの政治的機能不全とその処方箋〔大林啓吾〕
序
1 民主主義の歪みと司法
2 連邦議会の機能不全
3 憲法動態への道
後 序
◆10 英国における議会解散権の変容〔田中嘉彦〕
はじめに
Ⅰ 英国議会と解散権
Ⅱ 議会期固定の制度化
Ⅲ 議会期固定の見直し
Ⅳ 議会解散権の復活
おわりに
◆11 フランスにおける近年の議会制度改革案〔服部有希〕
Ⅰ マクロン政権下の憲法改正の動向
Ⅱ 2018年憲法案の概要
Ⅲ 議会制度改革をめぐる論点
Ⅳ その後の議会制度改革の動向
◆12 韓国の選挙制度改革とその課題〔國分典子〕
はじめに
1 比例代表制改革の背景
2 準連動型比例代表制の内容と第21代国会議員選挙結果
3 公職選挙法改正を巡る問題点
おわりに
[書評]
『統治機構と対抗権力』只野雅人・佐々木雅寿・木下和朗編著(日本評論社,2023年)〔福岡英明〕
■ 憲法年表(2023年10月1日~2024年3月31日)
■ 国際学会等のご案内