目次
『これからの民法・消費者法(Ⅱ)―河上正二先生古稀記念』
沖野眞已・丸山絵美子・水野紀子・森田宏樹・森永淑子 編集
【第Ⅱ巻 目 次】
は し が き
◇1 総 論◇
1 消費者契約法の育成―3度の実体法部分の改正を受けて〔沖野眞已〕
Ⅰ 問 題 意 識
Ⅱ 消費者契約法のこれまで
Ⅲ 消費者契約法のこれから
Ⅳ お わ り に
2 消費者契約法における努力義務規定の意義と課題〔山本敬三〕
Ⅰ は じ め に
Ⅱ 努力義務規定の法的意味
Ⅲ 法形成のプロセスにおける努力義務規定の意義と課題
Ⅳ 終 わ り に
3 契約法における個人と消費者像〔谷本圭子〕
Ⅰ は じ め に
Ⅱ 法の適用対象としての消費者
Ⅲ 人と消費者
Ⅳ 脆弱な消費者について
Ⅴ 個別的判断と定型的判断
Ⅵ お わ り に
4 「指標」としての消費者―日本の消費者保護の方向性を考察する視座〔岩本 諭〕
Ⅰ はじめに―問題の所在と検討の視座
Ⅱ EUにおける消費者保護理論の展開〈Ⅰ〉―「平均的な消費者」モデル形成のプロセス
Ⅲ 消費者保護理論の展開〈Ⅱ〉―「脆弱な消費者」モデルの形成
Ⅳ 日本における消費者像と消費者保護の動向
Ⅴ おわりに―消費者像と「個別化される消費者」―シフトか変遷か
5 網羅的・包括的な消費者法制の整備―海外の消費者法制の概観と日本版「消費法典」の可能性〔薬袋真司〕
Ⅰ は じ め に
Ⅱ 「消費法典」とは
Ⅲ 諸外国における消費者法制
Ⅳ 日本版「消費法典」の可能性
Ⅴ 日本版「消費法典」への課題
6 これからの消費者教育―法教育的視点から「生きる力」を育む〔神坪浩喜〕
Ⅰ はじめに―成年年齢引下げをうけて,ますます高まる消費者教育の重要性
Ⅱ 消費者教育の目的
Ⅲ これまでの消費者教育とその課題
Ⅳ これからの消費者教育―法教育的視点をふまえる
Ⅴ 法教育的視点をふまえた消費者教育の実践
Ⅵ 法教育的視点をふまえた消費者教育の課題と対策
Ⅶ お わ り に
7 迷走する消費者契約法の行方―2022年改正の評価と展望〔宮下修一〕
Ⅰ は じ め に
Ⅱ 2022年改正に至る経緯
Ⅲ 契約取消権に関する改正について
Ⅳ 「平均的な損害の額」に関する改正について
Ⅴ 不当条項規制に関する改正について
Ⅵ 消費者契約の条項の開示について
Ⅶ 差止請求を受けて講じた措置の開示要請について
Ⅷ 情報提供努力義務における考慮要素について
Ⅸ 結 語
◇2 広告・表示/勧誘・契約締結過程◇
8 EUにおけるステルス・マーケティングの規制〔カライスコス アントニオス〕
Ⅰ は じ め に
Ⅱ EUにおけるステルス・マーケティングの立法上の規制
Ⅲ EUにおけるステルス・マーケティングの自主規制
Ⅳ むすびに代えて
9 ターゲティング広告の不意打ち性と規制導入の課題〔上杉めぐみ〕
Ⅰ は じ め に
Ⅱ ターゲティング広告を取り巻く状況と不意打ちという問題点
Ⅲ イギリスにおけるターゲティング広告への規制状況
Ⅳ お わ り に
10 消費者契約法における不退去・退去妨害の要件の再評価〔中里 真〕
Ⅰ は じ め に
Ⅱ 4条3項1号・2号における不退去・退去妨害の規定構造
Ⅲ 不退去・退去妨害の具体的事例
Ⅳ 4条3項1号・2号の要件の解釈についての考察
Ⅴ お わ り に
11 特定商取引法の今後の課題〔池本誠司〕
Ⅰ は じ め に
Ⅱ 訪問勧誘と通信手段による申込み
Ⅲ デジタル通信手段による誘引手法の多様化と特定商取引の適用関係
Ⅳ 特定商取引における取引適正化の体制整備義務
12 スマートフォン等の普及に伴い生じた消費者被害についての一考察―3件の地裁判決における,いわゆる「悪質占いサイト」の違法性判断を題材にして―〔大浜寿美〕
Ⅰ は じ め に
Ⅱ 対象となる「悪質占いサイト」の特徴等
Ⅲ 占いサイトの違法性の有無を判断した3件の地裁判決の内容等
Ⅳ 責任追及の法律構成と,占いサイト特有の問題による隘路の検討
Ⅴ お わ り に
◇3 約款・不当条項◇
13 消費者契約条項の透明性と不当条項審査―消費者契約条項の限定解釈とその限界〔鹿野菜穂子〕
Ⅰ は じ め に
Ⅱ 従来の日本の個別訴訟における契約条項の限定解釈について
Ⅲ 消費者契約条項(約款条項)の透明性と不当条項審査
Ⅳ 差止請求訴訟において限定解釈による不当条項性回避を否定した近時の判決
Ⅴ 不透明な消費者契約条項の不当条項性と限定解釈の限界
Ⅵ お わ り に(328)
14 約款取引・消費者契約における意思決定の空洞化と法規範の役割―契約条項の開示と内容規制〔丸山絵美子〕
Ⅰ 検 討 課 題
Ⅱ アメリカにおける約款規制とAyres & Schwartzの研究
Ⅲ ドイツにおける約款規制とMcColganの研究
Ⅳ 日本における関連規定の解釈論・立法論
15 契約の中心条項規制と条項の「明瞭性」に関する一考察―スイスフラン建て住宅ローントラブルを一例として〔大澤 彩〕
Ⅰ は じ め に
Ⅱ フランス法・EU法における中心条項規制関連規定の概要
Ⅲ スイスフラン建て住宅ローントラブルをめぐるフランス破毀院・欧州司法裁判所の判断
Ⅳ 中心条項規制をめぐるEU法とフランス学説
Ⅴ お わ り に
16 消費者契約における約款の事前開示について〔福島成洋〕
Ⅰ 本稿の課題
Ⅱ 法3条1項3号の制定経緯
Ⅲ 消費者契約における約款の事前開示の必要性
Ⅳ 法3条1項3号の考え方・解釈
17 消費者契約における一方当事者に不利な契約の解釈準則の位置づけに関する一考察―フランス消費法典における消費者等に有利な契約の解釈規定と破毀院のコントロール〔酒巻修也〕
Ⅰ は じ め に
Ⅱ フランス消費法典における消費者等に有利な契約の解釈準則とその運用
Ⅲ フランス消費法典L.211-1条2項の意義
Ⅳ お わ り に
18 中途解約金条項の対市場効果と違法性―「市場法としての消費者法」研究序説―〔山本顯治〕
Ⅰ は じ め に
Ⅱ わが国携帯電話利用契約訴訟における問題設定
Ⅲ 解約金条項の対市場効果
Ⅳ 法 的 含 意
Ⅴ お わ り に
19 約款における契約説の意義に関する一考察―スポーツ仲裁自動応諾条項に関する仲裁判断を契機に〔石上敬子〕
Ⅰ は じ め に
Ⅱ 2021年バド事案―JSAA-AP-2021-001号仲裁事案(2021年6月30日)
Ⅲ 約款論における検討
Ⅳ おわりに―約款論,団体論の境界事例として
20 中国法における約款の規制―『民法典』の規律を中心に〔高 翔〕
Ⅰ は じ め に
Ⅱ 「約款」の概念及び構成要件
Ⅲ 「提示・説明義務」と組入れ要件
Ⅳ 定型約款の内容規制
Ⅴ お わ り に
21 No Oral Modification条項の拘束力と変更合意の効力〔石川博康〕
Ⅰ は じ め に
Ⅱ イングランド法におけるNOM条項の効力に関する判例の展開
Ⅲ NOM条項の効力に関する諸外国の法状況
Ⅳ NOM条項をめぐる理論的・原理的問題の諸相
Ⅴ お わ り に
◇4 消費者行政・消費者救済◇
22 医薬品の欠陥判断と過失判断―医薬品副作用被害に関する責任厳格化論の意義と射程〔米村滋人〕
Ⅰ は じ め に
Ⅱ 医薬品副作用被害に関する学説の展開
Ⅲ 近時の判例における欠陥判断
Ⅳ 判例の分析と欠陥・過失判断のあり方
Ⅴ 結 び
23 消費者法における行政の役割〔飯島淳子〕
Ⅰ 現行法制度の把握
Ⅱ 民事法的仕組みを動かす行政組織
Ⅲ 民事法的仕組みに組み込まれた行政の作用
Ⅳ 結 語
24 悪徳業者に対する行政による解散命令制度〔石戸谷豊〕
Ⅰ 問題の所在
Ⅱ ジャパンライフの場合
Ⅲ WILLやVISIONの場合
Ⅳ 消費者庁の破産申立権
Ⅴ 広い意味での解散命令の制度
Ⅵ 行政庁による解散命令の意義と要件
Ⅶ 破産手続きとの関係
Ⅷ お わ り に(587)
25 消費者問題と消費生活相談―消費者被害救済のために〔増田悦子〕
Ⅰ は じ め に
Ⅱ 消費者問題の現状
Ⅲ 地方消費者行政について
Ⅳ 消費生活相談の役割
Ⅴ 被害救済の課題
Ⅵ これからの消費生活相談
Ⅶ 終 わ り に
26 カネミ油症事件とわたし―2年間の軌跡〔土庫澄子〕
Ⅰ カネミ油症裁判の今日的意義―民事7判決が意味するもの
Ⅱ カネミ油症―これからの救済の在り方と事業者の責務
Ⅲ 2020年12月6日第4回カネミ油症高砂集会プレゼントーク
Ⅳ PL法の立法思想とカネミ油症―いま求められること
Ⅴ 今後の展望のために
27 2019年ハーグ判決条約の日本法における意義―消費者契約に関する訴訟に係る判決の承認・執行を中心に―〔菱田雄郷〕
Ⅰ はじめに:本稿の目的
Ⅱ 本条約の概観
Ⅲ 日本法の概観
Ⅳ 比較と検討
Ⅴ 結びに代えて
28 共通義務確認訴訟における支配性の要件〔山本和彦〕
Ⅰ 本稿の問題意識
Ⅱ 支配性要件の意義
Ⅲ 下級審裁判例の動向
Ⅳ 若干の検討
Ⅴ お わ り に
◇5 消費者と市場・社会・環境◇
29 消費者に対する優越的地位濫用〔白石忠志〕
Ⅰ は じ め に
Ⅱ 条 文
Ⅲ 前提の確認
Ⅳ 消費者に対する優越的地位濫用の規制に関する従来の状況
Ⅴ 個人情報等優越的地位濫用ガイドライン
Ⅵ 労働者・フリーランスをめぐる問題
Ⅶ 今後について
30 消費市場の規範形成:海外の事例紹介〔谷みどり〕
Ⅰ は じ め に
Ⅱ 人間の脆弱性
Ⅲ 社会の困難
Ⅳ デジタル仲介事業者の役割
Ⅴ ま と め
31 人身傷害保険における死亡保険金請求権の帰属〔深澤泰弘〕
Ⅰ は じ め に
Ⅱ 人傷保険の特徴と関連する約款規定
Ⅲ 裁 判 例
Ⅳ 学 説
Ⅴ 私 見
Ⅵ お わ り に
32 台湾における金融消費者保護法の現状と課題〔蔡 英欣〕
Ⅰ は じ め に
Ⅱ 実体法上の規制内容と関連課題
Ⅲ 手続法上の規制内容と関連課題
Ⅳ 結 び
33 DAOにおける契約法と組織法の交錯―スマートコントラクトの法的位置づけとDAOのガバナンス〔柳 明昌〕
Ⅰ は じ め に
Ⅱ ブロックチェーン技術及びスマートコントラクトの特質と問題
Ⅲ スマートコントラクトの法的位置づけ
Ⅳ DAOのガバナンス
Ⅴ 結びに代えて
34 株主の「権利のための闘争」とその敵―ドイツ法における株主代表訴訟制度の形成と課題〔高橋英治〕
Ⅰ は じ め に
Ⅱ 株主に権利はあるのか―社員権論の確立と発展
Ⅲ 敵―企業自体の思想
Ⅳ コンツェルン法上の株主代表訴訟の導入
Ⅴ 取締役等の責任追及のための一般的株主代表訴訟の導入
Ⅵ 一般的な取締役の責任追及制度とコンツェルン法上の株主代表訴訟制度との関係
Ⅶ お わ り に
35 消費者法としての動物法〔細川幸一〕
Ⅰ 問 題 意 識
Ⅱ 消費者法とは何か?
Ⅲ 消費者の責任と動物
Ⅳ 動物法の概要と民法における動物
Ⅴ むすびにかえて―動物法を消費者法と位置付ける意義
◇6 デジタル化・情報と消費者◇
36 メディア法の観点によるデジタルプラットフォームの規律―ドイツ法・ヨーロッパ法の整理〔山本隆司〕
Ⅰ 序
Ⅱ デジタルプラットフォーム事業者の基本権拘束
Ⅲ EUデジタルサービス規則および関連のドイツ法
Ⅳ メディア法の観点によるデジタルプラットフォームの規律の構造
37 電気通信サービス提供契約の解消制度―電気通信事業法の改正経緯と規律構造から見た課題〔齋藤雅弘〕
Ⅰ は じ め に
Ⅱ 事業法の改正経緯と利用者(消費者)保護
Ⅲ 契約解消に係る事業法の改正の経緯と内容
Ⅳ 電気通信役務(サービス)契約の性質と契約の解消
Ⅴ 初期契約解除制度
Ⅵ 確認措置と確認措置解除
Ⅶ お わ り に
38 情報漏えいに対する損害賠償の認容について〔櫻井博子〕
Ⅰ は じ め に
Ⅱ 個人情報の漏えいが問題となった裁判例
Ⅲ 若干の検討
Ⅳ お わ り に
39 電子書証と紙のない有価証券概念と民法―DXと各種法的環境の変化と今後の企業法務の視点〔田中幸弘〕
Ⅰ は じ め に
Ⅱ 形のないものから価値を生み出す各種仕組み(structure)
Ⅲ DXの推進と「デジタル化された情報」
Ⅳ 小 括
40 越境取引と個人情報保護〔奥原早苗〕
Ⅰ は じ め に
Ⅱ 越境取引をめぐる消費者トラブルの現状
Ⅲ 令和2年改正個人情報保護法―法の域外適用・越境移転の在り方
Ⅳ 個人情報の取扱いに係る国際的な枠組み
Ⅴ お わ り に
41 SNS事業者によるコンテンツモデレーションと表現の自由の私人間適用〔五十嵐宙〕
は じ め に
Ⅰ 憲法上の表現の自由
Ⅱ 日本における人権の私人間適用
Ⅲ コンテンツモデレーションに対する法的状況
Ⅳ 国家による表現規制とSNS事業者による表現規制の限界
Ⅴ SNS事業者とユーザーとの間における表現の自由の私人間適用
お わ り に
42 デジタル関連の消費者取引の現状と課題―情報商材等事案を基にして〔山田茂樹〕
Ⅰ 取引の現状
Ⅱ 法 的 課 題
Ⅲ お わ り に
43 デジタル時代におけるドイツ不正競争防止法の現代化―2021年UWG改正の概要〔中田邦博〕
Ⅰ は じ め に
Ⅱ 現代化指令と2021年UWG改正の経緯
Ⅲ 主要な改正内容
Ⅳ まとめにかえて
〈特別寄稿〉
「子」とは―「子」に託す未来―〔河上正二〕
河上正二先生 略歴
河上正二先生 業績一覧