目次
『人権の歴史と理論―「普遍性」の史的起源と課題(辻村みよ子著作集第2巻)』
辻村みよ子(東北大学名誉教授) 著
【目 次】
第1章 フランス人権宣言の「普遍性」―近代人権の史的起源を求めて
1 1789年人権宣言の制定と意義〔1992年〕
〔辻村みよ子『人権の普遍性と歴史性』創文社,1992年,第二章第一節「1789年人権宣言の制定と意義」69-96頁〕
Ⅰ 1789年宣言の歴史的意義
Ⅱ 1789年宣言の起源―「人権宣言論争」の現在
Ⅲ 1789年宣言の制定過程
Ⅳ 諸草案の特徴―「人権」の構造を中心に
〔補 遺〕
2 人権宣言の構造と人権の「普遍性」〔1992年〕
〔辻村みよ子『人権の普遍性と歴史性―フランス人権宣言と現代憲法』1992年,創文社,
第二章第二節「人権宣言の構造と人権の『普遍性』」96-123頁〕
Ⅰ 1789年宣言の構造
Ⅱ 「人の権利」の内容と限界
Ⅲ 「市民の権利」の内容と限界
Ⅳ 1789年宣言の「普遍性」と限界
〔補 遺〕
3 人権宣言に対する批判論の展開〔1992年〕
〔辻村みよ子『人権の普遍性と歴史性―フランス人権宣言と現代憲法』創文社,1992年,
第二章第四節「人権宣言に対する批判論の展開」154-169頁〕
Ⅰ 批判論の諸潮流
Ⅱ イギリス功利主義からの批判―バークとベンサム
Ⅲ フランスの伝統主義からの批判―ドゥ・メストルの摂理主義とコンスタンの自由主義
Ⅳ 史的唯物論からの批判―初期マルクス
〔補 遺〕
4 フランスの憲法伝統と人権宣言―二つの「自由」論と二つの「デモクラシー」論の交錯〔1992年〕
〔辻村みよ子「フランスの憲法伝統と人権宣言」『人権の普遍性と歴史性―フランス人権宣言と現代憲法』
創文社,1992年,第三章第一節171-190頁〕
Ⅰ 二つの「自由」論と「デモクラシー」論
Ⅱ フランスの憲法伝統と1789年宣言―第一の留意点
Ⅲ ルソー・モデルとロック・モデル―第二の留意点
Ⅳ ジャコバン型国家像の源流―第三の留意点
〔補 遺〕
5 人権論をめぐる憲法伝統の展開―自由主義法制の確立と二つの「自由」の対抗〔1992年〕
〔辻村みよ子『人権の普遍性と歴史性―フランス人権宣言と現代憲法』創文社,1992年,第三章第二節 190-212頁〕
Ⅰ 人権保障の歴史的展開
Ⅱ 人権論の「憲法学化」と活性化
Ⅲ 人権論と政治展開―新聞法をめぐる政治展開
Ⅳ 人権保障をめぐる今日的課題―200周年以後の新しい展開
〔補 遺〕
第2章 人権と女性の権利
6 フランス人権宣言と女性の権利宣言〔1992年〕
〔辻村みよ子『人権の普遍性と歴史性―フランス人権宣言と現代憲法』創文社,1992年,第二章第三節123-154頁〕
Ⅰ フランス革命と女性の権利
Ⅱ 女性の権利要求と「女性の権利宣言」
Ⅲ 「人権宣言」と「女性の権利宣言(女権宣言)」―比較の観点から
Ⅳ 女性の権利要求運動と「女性の権利宣言」の限界
〔補 遺〕
7 フランス人権宣言とオランプ・ドゥ・グージュ〔2016年〕
〔辻村みよ子「『人権の普遍性と歴史性―フランス人権宣言と現代憲法』創文社(1992年)をめぐって」
東海ジェダー研究所『ジェンダー研究』18号(2016年2月)〕
Ⅰ はじめに―フランス革命200周年のパリでの「再会」
Ⅱ 「近代人権論」への疑問
Ⅲ オランプ・ドゥ・グージュと女性の権利
Ⅳ 日本との関係―結びにかえて
〔補 遺〕
8 「近代的人権」の成立と女性の権利の排除〔2008年〕
〔辻村みよ子「「近代的人権」の成立と女性の権利の排除」『女性と人権』日本評論社,1997年,第一章31-78頁,
同『ジェンダーと人権―歴史と理論から学ぶ(『女性と人権』改訂版)』2008年,第一章33-76頁〕
Ⅰ 「近代的人権」とは何か―「89年」をめぐるエピソード
Ⅱ 近代以前の女性の地位
Ⅲ フランス革命期の「近代的人権」と女性の権利
Ⅳ イギリス・アメリカでの「人権」の成立と女性の権利
〔補 遺〕
第3章 人権宣言と日本の憲法
9 人権宣言と日本の憲法〔1992年〕
〔辻村みよ子『人権の普遍性と歴史性―フランス人権宣言と現代憲法』創文社,1992年,第四章第一節229-262頁〕
Ⅰ 自由民権運動と人権宣言
Ⅱ ジブスケ口譯『佛蘭西憲法』と1789年宣言
Ⅲ 中江兆民と1793年宣言
Ⅳ 自由民権運動とフランス人権宣言
〔補 遺〕
10 日本国憲法とフランス人権宣言〔1992年〕
〔辻村みよ子『人権の普遍性と歴史性』創文社,1992年,第四章第二・三節「日本国憲法と人権宣言」262-278頁〕
Ⅰ 日本国憲法の基本原理と人権宣言
Ⅱ フランス人権宣言から日本国憲法へ
Ⅲ 人権宣言の意義と憲法学の課題
Ⅳ 人権宣言をめぐる理論的検討課題
〔補 遺〕
11 日本における女性の権利の展開〔2008年〕
〔辻村みよ子『ジェンダーと人権―歴史と理論から学ぶ』日本評論社,2008年,第三章「日本における人権と女性の権利の展開」143~168頁
(初版,『女性と人権―歴史と理論から学ぶ』1997年,133-160頁)〕
Ⅰ 明治時代以前の女性の地位
Ⅱ 明治初期の人権思想と女性の権利
Ⅲ 「婦選運動」と女性の権利否認論
Ⅳ 日本国憲法の制定と女性の権利獲得
〔補 遺〕
第4章 現代の人権論と人権主体
12 近代人権論批判と憲法学〔2002年〕
〔辻村みよ子「序論 近代人権論批判と憲法学」全国憲法研究会『憲法問題』13号(特集:憲法状況の変容と憲法学),
三省堂,2002年,7~20頁〕
Ⅰ はじめに―序論的考察
Ⅱ 近代人権論批判の潮流と近代人権原理の「ゆらぎ」
Ⅲ 日本の人権状況と憲法学
Ⅳ 現代人権論の課題と展望―若干の考察
〔補 遺〕
13 人権の観念〔1994年〕
〔樋口陽一編『講座 憲法学 第三巻 権利の保障⑴』日本評論社,1994年,12-41頁〕
Ⅰ 人権と人権論をめぐる問題状況
Ⅱ 人権の観念と人権批判論・正当化論の展開
Ⅲ 人権主体と内容・類型の歴史的展開
Ⅳ おわりに―「人権総論」のなかの解釈論的課題
〔補 遺〕
14 人権と憲法上の権利〔2008年〕
〔辻村みよ子「人権と憲法上の権利」大石眞=石川健治編『憲法の争点』ジュリスト増刊,新法律学の争点シリーズ3,有斐閣,2008年
Ⅳ 国民の権利及び義務(1)人権総論26,64~65頁〕
Ⅰ はじめに―人権の観念と用法をめぐる諸論点
Ⅱ 人権の観念と用法
Ⅲ 「人権(=基本的人権)」と「憲法上の権利」の内容
Ⅳ 人権総論の諸課題との関係
〔補 遺〕
15 人権論の50年〔1996年〕
〔辻村みよ子「人権論の50年(1)」樋口陽一=森英樹=高見勝利=辻村みよ子編『憲法理論の50年』日本評論社(1996年)19-38頁〕
Ⅰ はじめに―戦後人権論総括への視点
Ⅱ 改憲論の動向と人権規範
Ⅲ 人権のための裁判闘争と「新しい人権」の創成
Ⅳ 学界内の研究動向
Ⅴ 人権基礎理論をめぐる問題
Ⅵ 今後の人権論の課題―むすびにかえて
〔補 遺〕
16 「女性の人権」の法的構造―差別撤廃から個人の尊重へ〔1995年〕
〔辻村みよ子「『女性の人権』の法的構造―差別撤廃から個人の尊重へ―」成城法学48号 矢崎光圀古稀祝賀記念号(1995年3月)375-199頁〕
Ⅰ はじめに―「女性の人権」をめぐる問題状況と憲法学的課題
Ⅱ 「人権」としての女性の権利―その意義と内容
Ⅲ 女性の権利の構造と体系
Ⅳ おわりに
〔補 遺〕
17 「女性の人権」と平和の理論―「人権と平和」の理論化への一視角〔1998年〕
〔辻村みよ子「『女性の人権』と平和の理論―『人権と平和』の理論化への一視角」深瀬忠一ほか編『恒久世界平和のために―日本国憲法からの提言』
勁草書房,1998年,895頁-922頁〕
Ⅰ はじめに
Ⅱ 人権と平和の理論的接合―現状と課題
Ⅲ 「女性の人権」の展開と平和―グージュから北京女性会議まで
Ⅳ 平和・女性・人権をめぐる論点と課題
〔補 遺〕
〔要 旨〕
18 人権主体と性差―リプロダクティヴ・ライツを中心に〔2012年〕
〔辻村みよ子「人権主体と性差―リプロダクティヴ・ライツを中心に」『講座 ジェンダーと法 第4巻』日本加除出版,2012年,
第Ⅰ部「人権論と平等論―課題と展望」3-16頁〕
Ⅰ はじめに―ジェンダーをめぐる人権体系論再検討の課題
Ⅱ 人権と性差
Ⅲ リプロダクティヴ・ライツの構造
Ⅳ 代理懐胎をめぐる課題と権利の制約原理
Ⅴ おわりに:人権主体と性差をめぐる理論的課題と展望
〔補 遺〕
第5章 難問としての現代の人権
19 自己決定権と「生まれない権利」―ぺリュシュ事件〔2013年〕
〔辻村みよ子「「生まれない権利」は認められるか―ぺリュシュ事件」『人権をめぐる十五講―現代の難問に挑む』
岩波書店,2013年,第一講,2-16頁〕
Ⅰ 事件の概要―「ペリュシュ事件」
Ⅱ 法制化の展開―各国の状況等
Ⅲ 議論の焦点―子の「権利」をめぐる理論的課題
Ⅳ 日本への示唆
〔補 遺〕
20 生殖補助医療と代理母問題―三つのM事件〔2013年〕
〔辻村みよ子「代理母問題をめぐって―三つのM事件」『人権をめぐる十五講―現代の難問に挑む』
岩波書店,2013年,第二講,17-37頁〕
Ⅰ 事件の概要―3つのM事件
Ⅱ 各国の法制度―代理出産の禁止をめぐる国家の規制
Ⅲ 日本の議論と論点
Ⅳ 今後の課題―権利構造論の課題
〔補 遺〕
21 信教の自由とスカーフ問題〔2013年〕
〔辻村みよ子「ムスリム女性のスカーフ,ブルカ規制問題をどうみるか」『人権をめぐる十五講―現代の難問に挑む』
岩波書店,2013年,第三講,38-53頁〕
Ⅰ 事例―スカーフ禁止とブルカ禁止法
Ⅱ フランスとヨーロッパ諸国の立法動向
Ⅲ 争点:スカーフ禁止の論理をめぐる3つの図式
Ⅳ スカーフ論争の多様性
Ⅴ ブルカ禁止法の展開
〔補 遺〕
22 職業選択の自由と女性兵士問題〔2013年〕
〔辻村みよ子「女性兵士は男女平等への道か」『人権をめぐる十五講―現代の難問に挑む』岩波書店,2013年,第七講,108-122頁〕
Ⅰ 事実の概要
Ⅱ 女性兵士の解禁―諸国の動向
Ⅲ 理論的課題
Ⅳ 日本の課題―「人権アプローチ」の有効性
〔補 遺〕
23 表現の自由とポルノ規制〔2013年〕
〔辻村みよ子「ポルノ問題で揺れる日本社会」『人権をめぐる15講―現代の難問に挑む』
岩波書店,2013年,第九講,140-159頁〕
Ⅰ 事例―マッキノンの定義とポルノグラフィー論争
Ⅱ 各国のポルノ規制
Ⅲ 児童ポルノの規制問題
Ⅳ 表現の自由と青少年保護・児童ポルノ
〔補 遺〕
24 少年犯罪と報道規制〔2013年〕
〔辻村みよ子「少年犯罪に対する報道規制は認められるか」『人権をめぐる十五講―現代の難問に挑む』
岩波書店,2013年,第十講,160-174頁〕
Ⅰ 事例―長良川リンチ殺人事件
Ⅱ 青少年保護と表現の自由
Ⅲ 少年法61条と報道の自由,「知る権利」
Ⅳ 報道・取材の自由と「知る権利」
Ⅴ 「知る権利」の現代的課題
〔補 遺〕
25 生活弱者の生存権―親族間の扶養義務〔2013年〕
〔辻村みよ子「生活弱者の生存権はいま―親族間の扶養義務」『人権をめぐる十五講―現代の難問に挑む』
岩波書店,2013年,十二講,191-202頁〕
Ⅰ 事例―学資保険積立ての可否
Ⅱ 生存権の法的性格
Ⅲ 判例の展開
Ⅳ 親族間の扶養義務問題
V 今後の課題
〔補 遺〕
26 原発問題と平和的生存権・生命権・環境権〔2013年〕
〔辻村みよ子「原発問題から平和的生存権へ―福島第一原発事故損害賠償訴訟」『人権をめぐる十五講―現代の難問に挑む』
岩波書店,2013年,十三講,204-223頁〕
Ⅰ 事例―福島第一原子力発電所事故をめぐる裁判
Ⅱ 原子力発電所をめぐる訴訟(原発訴訟)の展開
Ⅲ 憲法25条・13条と生存権・環境権・生命権
Ⅳ 生存・安全とジェンダー
Ⅴ 今後の課題―災害復興とジェンダーに関する検討課題
〔補 遺〕
27 安全保障と平和的生存権―「人権としての平和」論の展望〔2013年〕
〔辻村みよ子「安全保障と平和的生存権について考える―イラク派兵違憲訴訟」『人権をめぐる十五講―現代の難問に挑む』
岩波書店,2013年,十四講,224-236頁〕
Ⅰ 事例―イラク派兵違憲訴訟2008〈平成20〉年4月17日名古屋高裁判決
Ⅱ 平和的生存権の意義と構造
Ⅲ 平和や安全に関する世界の憲法―7つの類型
Ⅳ 今後の課題
〔補 遺〕
〔資料篇〕
(1) 1789年8月26日 人および市民の権利宣言(フランス人権宣言)
(2) 主要人権宣言草案
(3) オランプ・ドゥ・グージュ「女性および女性市民の権利宣言」
(4) 女性の所信宣言(アメリカ,1848年)対訳
(5) ジブスケ口訳 「佛蘭西憲法」
(6) 中江兆民訳 フランス1793年宣言〔漢文〕
(7) 千葉卓三郎「日本帝国憲法」
(8) 著作集第2巻(人権の歴史と理論)に関連する著作一覧