紹介
落ちこぼれ大学生だったぼくが、ライターになるまで――。
それはそのまま、平成の30年。
音楽ライターとして第一線で活躍しながら、現在もレコードショップの店員として世界中の音楽に触れる著者が、今ここに至るまでを「平成の30年」になぞらえて描いた、青春エッセイ。本書は1年に1章、その年を思い起こさせる個人的な1曲を添えてのソングブック形式。落ちこぼれ大学生だった「ぼく」は友人と一緒に自分たちの雑誌を作り、なんとか大学を卒業し、ライターの仕事を増やす一方でレコードショップで働き、だんだんと自分の生きる道をみつけていく。そのそばにはいつもたくさんのミュージシャンがいて、たくさんのレコードショップがあった。平成の30年を個人の体験とともに描きながら、読む人にとっての「平成」をもまた思い起こさせる。
<本書に登場する著者と交流のあったアーティスト(一部)>
ジョナサン・リッチマン/NRBQ/クレイジーケンバンド/SAKEROCK/星野源/永井宏/小西康陽/細野晴臣/GUIRO/カジヒデキ/坂本慎太郎/大瀧詠一/ヴァン・ダイク・パークス/小泉今日子/cero/片想い/VIDEOTAPEMUSIC など……
「音楽と、友情、恋愛、別れと涙。これはもう長編青春小説だと思う。
そして、音楽を創作する側の人々にとって、松永さんのような存在は宝物だとも思う。」――小泉今日子さん推薦
目次
第1章
平成元(1989)年 少年ヘルプレス
平成2(1990)年 たつまきのジュン
平成3(1991)年 ヒッピーとか、ホッピーとか
平成4(1992)年 まっちゃん、またなにかやろうよ
平成5(1993)年 リズム&ペンシル
第2章
平成6(1994)年 アイ・アム・ジョナサン。アー・ユー・リョーヘイ?
平成7(1995)年 デイズ・イン・タカダノババ
平成8(1996)年 ロッキン&ロマンス
平成9(1997)年 リズム&ペンシル、走る
平成10(1998)年 男達の別れ
平成11(1999)年 コールド・スウェット・トゥ・ニューヨーク
平成12(2000)年 最高で、残酷で、宙ぶらりの夏
平成13(2001)年 捨てる神、拾う神
第3章
平成14(2002)年 どっちがバンド名なんだ?
平成15(2003)年 そのバンドの名は
平成16(2004)年 ぼくのつきあいは「?」からはじまる
平成17(2005)年 ぐうぜんのきろく
平成18(2006)年 わかっちゃいるけどやめられない
平成19(2007)年 20世紀グレーテスト・ヒッツ
平成20(2008)年 さよならゴーゴー・レコード
平成21(2009)年 猫と清志郎
平成22(2010)年 次の時代にくりだそう
第4章
平成23(2011)年 Today/Tomorrow
平成24(2012)年 あたらしい日本のおんがく
平成25(2013)年 自分で大賞を作ってみた
平成26(2014)年 ルミさん
平成27(2015)年 いい解散
平成28(2016)年 終わったところからはじまる
平成29(2017)年 もう一度SAKEROCKのことを
平成30(2018)年 昔は「なつかしい」がきらいだった
平成31(2019)年 平成最後の日
あとがきにかえて