内田裕介さんの書評 2024/11/19
人は見た目が9割といいますが、声も見た目同様、人の印象作りに大きく影響している気がします。できればいつまでも若々しい声でいたいもの。そこで本書を手に取りました。
声が老ける原因は、加齢で「声筋」の力が弱って、声帯がしっかり閉じなくなるから。
喉頭には声帯の他に5つの筋があり、息を吸う時は気道を開き、息を吐く時は必要に応じて気道をしっかり閉じる役割があります。その必要というのが、声を出すとき、力を入れるとき、喉に異物が侵入した時です。
だから声筋が衰えると、フケ声だけじゃなく、身体に力がこめられず瓶の蓋が開けられなくなったり、つまづいた時に踏ん張れずそのまま転倒してしまったり、食べ物が気道に入るのを防げず「誤嚥性肺炎」を起こしたりする。声筋は全身の健康維持に相当重要な役割を果たしているようです。
で、実際のフケ声対策ですが、声筋も筋肉なので、トレーニングは筋トレ。でも大声を出せばいいってわけじゃありません。声筋に負荷をかけるには呼気に圧をかける。つまり息を吐きづらい状態にして声を出していく。
本書では、口をすぼめて低い声から高い声、高い声から低い声を出すとか、ストローを咥えて声を出すなどを紹介しています。管が長く細くなれば、それだけ圧が高まり負荷も高くなるのですが、ストローくらいでも十分、声筋トレを実感できます。
ただ「のー」とか「うー」とか声を出すだけではやっててつまらないし、すぐ飽きてしまうので、わたしは毎朝、懐かしの昭和ポップス(聖子ちゃんとか少年隊とか)を掛けながら15分間ストロー咥えてハミングしています。これはなかなか楽しいので、ずっと続けられそうです。
声筋が鍛えられたかどうかは、ロングトーンの発声が30秒できるかどうかで検査できます。いまのところわたしは24秒前後。頑張って30秒越えを目指してみたいと思います。
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