紹介
他者とのかかわりなしに、人は言葉をもつことができるだろうか。この問いにひとつの答えを与えた少女がいた。1970年秋のロサンゼルス。誕生以来13年間、父親によって小部屋に閉じ込められてきたジーニが発見された。やせ細った少女は、泣くことも叫ぶことも知らなかった。精神科医、心理学者、言語学者、教師らによる研究チームが組まれる。少女は、またとない実験台として迎えられた。やがて少女は笑うことを覚え、他人に愛着を示しはじめる。しかし…。人間らしさをとりもどすため、科学に身を委ねざるをえなかった少女。その足跡を追い、人が人として生きるために必要なものとは何かを深く問う。埋もれた事件の全容を明かす迫真のドキュメント。
目次
第1部 発見
第2部 予感
第3部 進歩
第4部 喪失
第5部 残像