目次
第一章 「当用現代史」の試み
海自練習艦隊に同行して/インドについて考えたこと/思考実験としての歴史
/「バックキャスティング」の手法
第二章 「戦後日本」という奇跡
ブルーインパルスの編隊飛行/青空に描かれた五つの輪/ミリタリーとの幸福
な出会い/坂井選手の物語/64年東京オリンピックとは何だったのか/敗戦から立ち上がった日本/「先進国クラブ」への参加
*補論 喜納昌吉の「花」はこうして生まれた
第三章 日米同盟のあとさき
廣松渉と遠藤忠夫/変化した米国の対日占領方針/「アメリカと日本の奇跡」/アチソン国務長官の貢献/ロックフェラーが考えた対日工作/米国の「人間力」
*補論 海自練習艦隊の航跡と日本の復興
第四章 インドと中国はなぜ戦ったか
中印関係の起源/インドに二校しかない孔子学院/中国軍の捕虜になったインド人将軍/中印戦争の発端から展開へ/中国優位に抗して
第五章 英国が教える米国との付き合い方
英米が衝突したスエズ危機/最後の帝国主義秘密外交/英国の誇りを打ち砕いた米国/「先払い(ダウンペイメント)外交」に/「大陸か、米国か」
*補論 「三種の神器」が売れ始めていた頃
第六章 ドル覇権への道
ブレトン・ウッズ体制とは何か/米ドル支配の確立/開戦と並行する「戦後」体制/ケインズの戦後構想/武器貸与法という刃/パックス・アメリカーナへ
*補論 ハリー・デクスター・ホワイトの対日講和案
第七章 ニクソン・ショックとは何だったのか
戦後史の分岐点/米国の購買力に支えられた日本/基軸通貨と情報力/日米貿易摩擦という問題/閉じられた思考空間/安全保障としてのドル問題/米国が強いられた冷戦
第八章 中国リスクの深層
四〇〇〇万人(?)の餓死者/『毛沢東 大躍進秘録』から/歴史の中に埋もれる悲劇/「土法炉」の生産性/社会主義国の支配構造/加害と被害の曖昧な境界/戦後日本人は毛沢東を尊敬した/八路軍は偉かった?/「南京大虐殺」への脚注
第九章 楽観論者だけが未来をつくる
「エンゲージメント」と「ヘッジング」/「永遠なのは国益だけである」/「自尊の心」がない国は亡ぶ/献身・謙抑・自由/バーミヤンから届いた激励の声/アフリカで働く女性協力隊員たち/工場現場で起きた革命/「カンバン方式」以前の改善策/日本的生産手法/工程改善を支えた条件/占領軍が指導したJISマーク/日本人の「自由」について/「部活」というキラー・アプリ/「行事だらけ」の学校生活/社会の安全という背景/「出た! 少年俱楽部」/江戸期の自由な子どもたち
第一〇章 日本人の変革能力
「黒船」から一五年後の明治維新/パージがもたらした青天井/向日性と楽天性の世代