目次
アロマザリングの島の子どもたち─目次
まえがき
序 章 多良間島というフィールド
多良間島到着
多良間島素描
周辺の島々との関係
第1章 島の子育ての背景
1 島の生活
「モンスーン型」の生き方
ナンクルナイサの世界
健康意識と人生観
2 豊かなネットワーク
島の多彩な催し
行事の意味
▽懇親会とオトーリの流儀
▽手作りの葬儀
挨拶を交わす
第2章 島の子どもと大人
1 研究の概要
〈行動観察〉
〈インタビュー〉
〈質問紙〉
〈GPS、アクティグラフなど〉
2 保育園における子ども
登園時の観察
分離への反応
泣きの意味するもの
子どもと私の距離の変化
接触の効果
変わり身の早い子どもたち
3 家庭での育ち
おやつ・小遣い――性善説の子育て
家のお手伝い――戦力としての子ども
アルバム法――アロマザリングの豊かさが見える
父親の参加――次世代を見すえて
東南アジア出身の母親――「子はかすがい」
第3章 アロマザリングの息づく島
1 子どもと地域
子どもと地域の接点としての保育園行事
散歩を通じたふれあい
子どもと大人が近いこと
地域の大人による見守り、降園下校
▽群れる子ども
▽子どもへの信頼
遊びと危険のてんびん
▽活動量
▽危険回避行動の発達
▽災害報告書
津波警報にどう対処したか
2 アロマザリングの伝統
守姉によるアロマザリング
複数世代をまたぐ「トゥイ会」
オバアによるアロマザリング
3 島を離れる
クールな中学生
思春期の子別れ――中高生へのインタビュー
アグ(同期の仲間)の絆
第4章 島の子育て・子別れから何が見えるか
1 このフィールドワークからわかったこと
2 子別れとアロマザリングの枠組み
反発性と子別れ
アロマザリングとしての保育園
3 多良間島の子育てを支えるもの
垂直的関係と水平的関係
「ヒト」の豊かさと「モノ」の乏しさ――都会化の波
アロマザリングの変貌
守姉から保育園へ
「多良間島に生きる」ということ
4 豊かさと子ども
豊かさとは何かを問う
都会化・個人化は子育てのかたちを変えるのか
第5章 私たちの現在と未来の子育て
「乏しさは豊かさである」
「人間力」と「ありのまま」を肯定する
あとがき
装幀 臼井新太郎