紹介
いまだ成長を続ける中国経済。経済成長率が公表されるたび新聞紙面を騒がせる大きな話題になっています。しかし、中央計画経済から社会主義市場経済への移行にともなって、推計方法に大きな変更が加えられたにもかかわらず、その国民経済計算の実態は、これまで十分に説明されてきませんでした。本書は、GDPが過大に推計されているのではないかと、国際的にも信頼性への疑問がしばしば表明される状況にたいし、統計作成担当である国家統計局副局長みずからが、国内外に向けて解説し、疑問にも答えた論文集です。日本の国民経済計算の専門家たちによる解説と日本との比較も加えて、中国経済の公式データを読む人にとって必携の詳説書となっています。
目次
◆目次
日本語版への序文
第1章 中国のGDP統計
第2章 世界銀行とマディソンによる中国公式GDPに対する批判と調整
第3章 中国の現行GDP概念と93SNAのGDP概念との間に存在する若干の相違
第4章 中国の国内総生産の推計に関わる諸問題の研究
第5章 国内総生産に関する価格指数と数量指数および両者の関係と役割
第6章 中国鉱工業と農業の不変価格表示の付加価値の現行推計方法およびその見直しについて
第7章 内外の経済学者による中国の経済成長率に対する論評
第8章 中国の国民経済計算が直面する問題と今後の改革方向
第9章 『中国国民経済計算体系(試行案)』の改定について
第10章 中国政府統計の改革
第11章 WTO加盟が中国政府統計にもたらす影響
第12章 1990年代の中国においてサービス業の成長が相対的に遅れた要因の分析
第13章 中国経済の国際収支分析
第14章 1990年代中国経済の資金循環分析
第15章 中国のサービス業統計およびその問題点について
第16章 経済センサス年のGDP推計に関する諸変更