目次
「闇」への想像力をかきたてるために──「ナイトメア叢書」刊行にあたって 一柳廣孝
はじめに 吉田司雄
第1章 ホラー・ファンダメンタリストの原点──小中千昭インタビュー
ホラー・ファンダメンタリストの原点──小中千昭インタビュー 聞き手:一柳廣孝/吉田司雄
1 「学校の怪談」という磁場
2 恐怖の起源に迫る
3 〈霊〉を書き、撮るということ
第2章 映画の恐怖をたずねて
剥き出しの恐怖と接する 梅本洋一
「紀子」の首──『晩春』の無気味さについて 中村秀之
フリークス、モンスター、マッドサイエンティストの狂演 井上貴子
第3章 恐怖は伝播する
『カメラマンの復讐』──ヴワディスワフ・スタレーヴィチの初期アニメーション映画におけるグロテスク性について 中野 泰
1 アニメーション映画の基本的特質
2 ストップモーション表現とスタレーヴィチの独自性
3 実物志向
4 グロテスクな動き
5 グロテスクな笑い
人間と幽霊/妖怪の間──中華映画圏の怪奇映画小論 晏●(女偏に尼)
1 怪奇映画でのグロテスクとポリティクス──馬徐維邦
2 怪異のジェンダー学──香港映画
3 恐怖と笑い
ヒッチコック映画──「日常」の恐怖 碓井みちこ
1 台所の日常──『引き裂かれたカーテン』
2 アパートの「日常」──『フレンジー』
『妖婆 死棺の呪い』論──ゴーゴリのロシアからプトゥシコのソ連へ 梅津紀雄
1 ニコライ・ゴーゴリの中篇小説『ヴィイ』とその周辺
2 修道院の寄宿生たち
3 老婆との一夜
4 百人長の屋敷
5 第一夜
6 第二夜
7 第三夜
8 エピローグ
9 ヴィイはどこに由来するのか
[連載]
真夜中のセクシュアリティ(第4回)
「文化的」な主体の病──黒沢清と山本文緒のドッペルゲンガー、そして『叫』 久米依子
1 赤い服の幽霊
2 分身と争うこと
3 新世紀のドッペルゲンガー
書棚の隅に何かいる(第1回)
「天命学院講習録」──最後の気合術師・濱口熊嶽の教え 一柳廣孝
第4章 死者は偏在する
愛と幽霊は流れ続ける──ジョン・カサヴェテス『オープニング・ナイト』における演技とシャーマニズム 助川幸逸郎
原点としてのシャワールーム──『サイコ』によるホラー映画史 進藤洋介
1 『サイコ』
2 スプラッター
3 サイコ・ホラー
人間ならざる人間──「ジャパニーズ・ホラー」と恐怖マンガの可能性 川崎公平
1 「ジャパニーズ・ホラー」とマンガ
2 人間の引き算
3 地獄の機械
4 マンガのおばけ
5 描線と人間
死者たちの陽気な祝祭──時代劇映画における“立回り” 紅野謙介
1 アクションの集積としての立回り
2 イドー・ダイスキ
3 明滅する死者たち
第5章 恐怖を読む視点
ブックガイド 川崎公平/諸岡卓真/井上貴翔/成田大典/横濱雄二