目次
序章 オリンピックとスポーツ・メガイベントの社会学 石坂友司/松林秀樹
1 スポーツ・メガイベントとは
2 スポーツ・メガイベントとしてのオリンピックの特殊性
3 準備/開催から開催後のオリンピック研究へ
4 オリンピックの「遺産」
第1章 「遺産」をめぐる開催地の10年 石坂友司/松林秀樹
1 長野オリンピック開催地域の概要
2 研究課題
第2章 「風雪」と「虹と雪」の呪縛――はるかなる札幌オリンピックとその記憶 町村敬志
1 冬季オリンピックというイベント――長野から札幌へ
2 建設工事のオリンピック――「生まれかわるサッポロ」を作るもの
3 レトリックとしての「雪」――「風雪」から「虹と雪」へ
第3章 「記憶と評価」から見た「遺産」 松林秀樹/石坂友司
1 調査の概要
2 オリンピック開催に対する賛否
3 オリンピックの記憶と評価
4 オリンピックに対する「地元」の評価
第4章 スポーツ・メガイベントと地域開発――長野オリンピック開催を支持したのは誰か? 上野淳子
1 成長を求めて――オリンピックと都市
2 メガイベントと成長連合
3 誰がオリンピックを支持したか――産業、価値観、団体参加
第5章 「遺産」に対する「地元」の評価・意識――交通網整備を中心に 松林秀樹
1 「遺産」としての交通網――分析のための視角
2 交通網整備による生活圏の変化――通勤・通学動向から
3 「地元」の評価・意識の分類と諸特性
4 「地元」の評価・意識から見るオリンピック開催と交通網建設
第6章 スポーツ・メガイベントと地方政治――長野オリンピックの政治社会学 丸山真央
1 問題の所在
2 長野県政のレジーム変化
3 レジーム変化と有権者の選択
4 地方政治における〈オリンピックの遺産〉
第7章 「遺産」としての「一校一国運動」――長野市立徳間小学校の取り組みを中心に 髙木 啓
1 長野オリンピック大会までの「一校一国運動」
2 長野オリンピック大会後の「一校一国運動」
3 イベントとしての「一校一国運動」から学校の伝統としての「一校一国運動」へ
4 教育実践としての徳間小学校の「一校一国運動」の意義
第8章 「遺産」をめぐる葛藤と活用――白馬村の観光産業を中心に 高尾将幸
1 ウインター・リゾートとしての白馬の歩みと現在
2 オリンピック開催への期待とその結果
3 ポストオリンピックにおける実践
第9章 カーリングネットワークの創出と展開――カーリングの聖地・軽井沢/御代田の取り組み 石坂友司
1 軽井沢町の概況と開発の特殊性
2 オリンピック開催に向けた動き
3 オリンピック開催後の軽井沢
4 「カーリングの聖地」/「カーリングの町」へ
終章 誰にとってのオリンピック・遺産なのか 松林秀樹/石坂友司
1 スポーツ・メガイベントを評価するために
2 長野オリンピックの遺産――その布置連関
3 「遺産」を評価する――主体と時間