目次
はじめに 竹田青嗣
■第1部 「炭素会計」がなぜいま必要か
◎『「炭素会計」入門』の問題提起とは
地球は温暖化しているのか
炭酸ガス濃度はどれだけ増えているのか
京都議定書と各国の炭酸ガス削減への取り組み
炭酸ガスを出さないエネルギーの可能性
温暖化問題の本質とはなにか
◎竹田青嗣の「炭素会計」への共鳴
資本主義の行方
資本主義の原理は「普遍交換」と「普遍消費」
90億の人が普遍消費をするとどうなるか
◎温暖化問題と資本主義
資本主義に代わる経済システムはあるのか
新しい「大きな物語」というチャレンジ
資本主義の性質を変えなくてはいけない
人間はなんのために生きているのか
◎「炭素会計」は資本主義改革の契機となりうるか
状況や時代に応じて市場の切り分けをする
政策として炭素をどう扱うか
現実の制度にしていくにはどうすればいいのか
◎会場から
「一般意志」をどう取り出せばいいのか
問題を解決する制度や仕組みはないかを考える
持続可能な資本主義のあり方を考える
医療や炭素における合意に基づく分配のルールとは?
「正しい」ということと「得だ」ということ
市場原理に任せるものとそうでないものを切り分ける
新たな国家間格差を生み出さないためには
一番ポテンシャルがあるのは日本だ
市民にどういうインセンティヴを与えればいいか
「世界市民」が共通のルールを調整していく
まず炭素を見えるようにすること
テクノロジーやJフードの可能性
■第2部 世界市民と正義のつくりかた
◎国家と資本主義批判への問題提起
ポストモダン思想の国家と資本主義批判
マルクス思想の国家と資本主義批判
国家権力はなぜ否定できないのか
普遍分業を捨てると普遍支配構造が復活する
資本主義がむかえるふたつの限界
◎グローバリズムと環境、経済格差問題
環境問題はこれまでの公害問題とはちがう
グローバル化が引き起こした格差問題
ケインズのつぎの天才経済学者が必要
この危機を好機に大転換するための合意づくり
グローバリズム化でなにが起こっているか
◎環境問題を哲学で考える
国家どうしの「自由の相互承認」は可能か
「文化」というルールの壁は越えられるのか
媒介項をおいて国家間のルールを調整していく
原理を生み出す哲学の可能性
◎会場から
市民という立場でなにができるか?
まずは炭酸ガス排出量を数値化すること
一人ひとりの自覚が問題を解決する糸口にならないか?
原理的な考え方とデータを提示する
役に立つ言論は事前にはわからない
既得権をどう考えるか
国の役割は平等な配分の調整
どんな社会でもルールは変えていくことができる
国連の可能性は?
国連には問題解決能力はほとんどない
国連以外の調整機関を構想する
生産能力が落ちた日本が老人を支えるのは無理?
日本の高齢化対策は世界で使えるものになる
高齢者問題を乗り越える方法は?
人口を減らして競争原理を落とす
家族や地域といった小共同体の可能性は?
都市や地域社会を再設計する
新しい共同体のあり方を構想する
つぎのケインズを見つけられるのか
必ずいるけど、見つける方法がむずかしい
合意を経ない拘束は続くのか
合意によって自分の自由を制限する
まず先進国の市民から合意を取り出す
理性がひとつの鍵になるのか
歴史を踏まえた個人主義を知る
ヘーゲルやルソーの理性の在り方を置く
あとがき 橋爪大三郎
プロフィール・著作一覧