紹介
「帝国」アメリカは
どのような世界に生まれ、どのような世界を生み出したか。
独立のプロセスを丹念にたどった歴史書!
アメリカの独立と建国とは、「野蛮」と位置づけられた
アメリカが「文明」を自負する「ヨーロッパ国際社会」の
一員となるための苦闘であったーー。
「諸国家の中の国家」という視点から近代国家の発展を捉える
本書は、新たなグローバルヒストリーの挑戦である。
本書を通じて、明治維新など地域や時代が離れた
多くの事件が独立革命に重なり合い、事件の持つ新たな
意味合いが提示されていく。
現在の中東やアメリカで起こっている事態に対しても、
グローバル化が起こす国際秩序の変動を見据えることで、
歴史的な視点から理解するための必読の書といえる。
目次
【主な目次】
訳者まえがき
日本語版序文
序 諸国家の中の国家
●第一章 ヨーロッパの辺境(On the Margins Nations)
第一節 ヨーロッパ国際条約の「共和国」
第二節 辺境の民を統治する苦悩
第三節 七年戦争――アメリカとヨーロッパの一体化の開始
●第二章 奴隷制の法(The Law of Slavery)
第一節 アメリカの自由と奴隷制
第二節 奴隷制の普遍性
第三節 奴隷制を巡る国際法秩序の確立
●第三章 パックスブリタニカ(Pax Britanica)
第一節 平和を希求する海の改革
第二節 北米に平和を
第三節 想像の帝国
●第四章 独立(Independdence)
第一節 独立のための戦いという困難
第二節 「地上の列強」のなかで
第三節 合衆国憲法が切り開いた道
第四節 「国際条約に値する国」になること
●第五章 奴隷所有共和国(A Slaveholding Republic)
第一節 奴隷制を巡る地理的な法秩序の変容
第二節 奴隷制を巡る国家主権の確立
第三節 奴隷所有共和国の確立
●第六章 新世界と旧世界(The New-World and the Old)
第一節 イギリスの影
第二節 落日のスペイン帝国
第三節 文明と野蛮のあいだ
第四節 アメリカの平和
エピローグ モンロー氏の平和(Mr. Monroe's Peace)
解説および訳者あとがき/参考文献/原註/索引