紹介
シェイクスピア史劇を軸にした、わかりやすく本格的な初の通史!
英国初の内戦(1455-1485/87)であり、シェイクスピア史劇(『リチャード二世』『ヘンリー四世』(第1 ~ 2 部)『ヘンリー五世』『ヘンリー六世』(第1 ~ 3 部)『リチャード三世』)の題材としても知られる薔薇戦争を、史劇を足掛かりに、ワット・タイラーの乱、百年戦争、ジャンヌ・ダルクなど戦争期間以外の背景も丁寧にたどり、新説を取り入れながら詳細に記述した英国・欧州中世史・軍事史研究の基本図書。
トレヴァー・ロイルの「新史」は、よく練られて、読みやすい。執筆に当たって収集された資料は幅広く、おおむね最新の説を採り入れている。資料からの引用は広範に及び、興味深い逸話にも満ちている。(略)実際、本書は、イギリス人が四百年にわたって薔薇戦争に関する知識の拠り所としてきたシェイクスピアの八つの史劇を足掛かりにし、より説得力ある解釈を提示しようとしている。(略)二十一世紀を生きる読者の心に響き、多くの支持を得ることは間違いないだろう。※BBCの歴史雑誌(History)掲載のMichael Hicks 氏(ウィンチェスター大学歴史学部長)書評より。
薔薇戦争(ばらせんそう、英: Wars of the Roses)は、百年戦争終戦後に発生したイングランド中世封建諸侯による一連の内乱・内戦の総称。
1455 年5 月にヨーク公リチャードがヘンリー6 世に対して反乱を起こしてから、1485 年にテューダー朝が成立するまで(1487年6 月のストーク・フィールドの戦いまでとする見方もある)、プランタジネット家傍流のランカスター家とヨーク家間で戦われた権力闘争。ヨーク家とランカスター家は、ともにエドワード3 世の血を引く家柄であった。ランカスター家が赤薔薇、ヨーク家が白薔薇を徽章(バッジ)としていたので薔薇戦争と称されているが、後世の呼称とされる。
目次
【収録もくじ】
序文/イントロダクション もう一つのエデン 天国の如き地/プロローグ シェイクスピアと薔薇戦争/第1 章 幼君の統べる地に降りかかる災厄/第2 章神に選ばれて/第3 章 あらゆる栄華も威厳も遠ざけることを、朕は誓う/第4 章 僭王/第5 章 王者に安眠なし/第6 章 筆舌に尽くしがたい名声/第7章 権勢高き征服者/第8 章 嬰児の手に渡った王笏/第9 章 温和で正直な男/第10 章 立ちこめる暗雲/第11 章 ヨーク公の護国卿政権:第一次セント・オールバンズの戦い/第12 章 堂々たる精力的な女/第13 章 内乱/第14 章戦いは続く/第15 章 ウォリック、国王擁立者にして廃立者/第16 章 衰亡/第17 章 イングランド奪回/第18 章 王国の揺るぎなき支配者/第19 章 栄光と平安/第20 章 剥された仮面/第21 章 最後の審判/第22 章 訝しき最後の簒奪者/エピローグ 尊貴なる家名の終焉/巻末 主要登場人物・相関図