目次
朝鮮近代科学技術史研究への視点――まえがきにかえて――
朴星来:開化期の近代科学受容
1.はじめに
2.「西器」としての近代科学――技術の受容――
3.開化のための科学
4.理想としての科学
金成根:1860年代における科学技術政策の推移
1.はじめに
2.朝鮮における1866年代の武力衝突の背景と展開
3.結論
任正爀:朝鮮開化派の近代化と福沢諭吉
1.問題設定
2.福沢諭吉の実学観と脱亜論
3.朝鮮開化派の形成とその活動
4.朝鮮開化派の歴史的制約
5.結語
申東源、黄尚翼:朝鮮末期近代保健医療体制の形成過程とその意味
1.朝鮮末期保健医療に関する研究動向
2.人口管理のための近代保健医療体制の誕生
3.近代保健医療体制形成の五段階
4.朝鮮末期近代保健医療体制の性格
申東源:牛痘法の政治学――啓蒙された近代か?「近代」の「啓蒙」なのか?
1.はじめに
2.戦史の叙述‐朝鮮のジェンナー・池錫永
3.朝鮮末期牛痘法と池錫永
4.19世紀朝鮮の牛痘法と人痘法
5.種痘法と漠医学
6.牛痘法を反対した「守旧」の論理
7.痘瘡の流行と被害規模
8.結論:啓蒙された近代か?「近代」の「啓蒙」なのか?
金根培、朴星来:植民地期における科学技術者の形成について
1.はじめに
2.海外留学政策の変遷
3.科学技術者の出現と拡大
4.出身大学別分布状況
5.卒業後の進路と活動
6.結語
李吉魯:日本統治下朝鮮の高等工業教育に関する一考察
――京城帝国大学理工学部の成立との関連で――
1.はじめに
2.京城帝国大学の設置
3.京城帝国大学理工学部の開設とその特質
4.おわりに
姜雄:朝鮮総督府の電発送計画に基づく1930年代初期の
朝窒のアルミナ製造研究と朝窒の技術体系
1.問題設定
2.総督府の電力開発計画とアルミニウム製造計画
3.朝窒の新技術開発と燃料選鉱試験研究所
5.結論
姜雄:日本窒素肥料興南肥料工場の化学技術体系の分析
1.はじめに
2.朝鮮進出以前の日窒の化学技術体系
3.興南肥料工場の技術の検討
4.結論
任正爀:朝鮮における日本の研究機関による放射性鉱物の探査および採掘について
――原爆開発計画二号研究との関連における考察――
1.はじめに
2.基本資料
3.理研による放射性鉱物の探査
4.京城帝大理工学部の活動
5.朝鮮総督府地質調査所の活動
6.結語
高成鳳:朝鮮鉄道の植民地的性格についての一考察
1.はじめに
2.日本にとっての朝鮮鉄道の位置
3.朝鮮鉄道の特殊性
4.解放後の鉄道
5.むすびにかえて
林宗台:金容瓘の発明学会と1930年代科学運動
1.はじめに
2.発明新興と物産奨励―金容瓘と発明学会
3.発明新興から科学運動へ
4.理化学研究機関設立論議
―相異なる科学技術観および近代化観および近代化観の表出
5.科学運動の展開と変質
6.結論
慎蒼健:覇道に抗する王道としての医学
――1930年代朝鮮における東西医学論争から――
1.はじめに
2.東西医学論争の背景と争点
3.趙憲泳の医学思想
4.おわりに
金兌豪:李升基のビナロン研究と工業化
1.はじめに
2.植民地遺産の形成と
3.北朝鮮のビナロン工業化と植民地遺産の専有
4.脱植民社会における過去の専有、その成果と限界
任正爀:物理学者都相禄の研究活動と解放直後の社会活動について
1.はじめに
2.都相禄の略歴と物理学界の状況
3.松都高等普通学校時代の活動
4.新京工業大学時代の活動
5.解放直後の社会活動
6.結語
あとがき