紹介
夢の中でならば、私たちは、みな、
マリーナ・アブラモヴィッチになれる。
茂木健一郎
「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」から生まれた「夢の家」。新潟県の山奥にある築100年を超える木造民家を活かした「夢」を見るための場所であり、宿泊者はその晩見た夢を「夢の本」に書き綴る。このプロジェクトは、意識と無意識、生と死、現実と虚構の境界にある「夢」をひとつの体験=パフォーマンスとしてとらえ、すべての人に新たな生の局面を開こうとするものであり、「夢の家」はそこで見られた夢を集めた「夢のアーカイブ」でもある。
「夢の家」は、2000年の開館以来、アーティストの意思を深く受けとめ、集落の人々が大切に守り育ててきたが、昨年3月12日の長野県北部地震により壊滅的な被害を受けた。しかし、大規模な復旧作業によりこの夏の芸術祭で再びオープンすることが決定した。
『夢の本』は、2000年から10年以上にわたって宿泊者が書き綴った1862の夢から選ばれた100の夢と、アブラモヴィッチや関係者の手記・証言、貴重な写真の数々によるプロジェクトの全記録、さらに茂木健一郎の「アブラモヴィッチ論」、各界著名人の「夢」をめぐるエッセイ等を収録し、大地の芸術祭での「夢の家」再開に向けて出版される。