紹介
——デリダ的脱構築は本質的思考ではない——
フッサール現象学を独自に展開させ、言語における意味の本質を「信憑構造」というキーワードによって徹底的に論じた、竹田哲学の集大成。ポストモダニズムによって捏造された「言語の謎」を告発し、現象学による「まっとう」な言語理解に世界ではじめて架橋する画期的論考。
「立ち止まって深く考えること」をタブー化するポストモダニズムと決別し、20世紀末に私たちを覆った〈差異の戯れ〉からの脱出を試みる!
【本書で扱うキーワード】
脱構築・東浩紀・デリダ・主体の死・エクリチュール・差延・記号論・正義のパラドクス・否定神学・指示理論・フッサール・言語コンテクスト・一般言語表象・純粋自我・ハイデガー・信憑構造・超越項・ヴィトゲンシュタイン・言語の多義性……
目次
『言語的思考へ』の目次
1章……現代の反形而上学——『声と現象』のマニフェスト
ヨーロッパ思想の自己克服/脱構築的マニフェスト/根源概念の禁止/エクリチュールと主体の死
2章……デリダ的脱構築と懐疑論
「純粋自我」の逆説/懐疑論の本質/差延と超越性
3章……「現象学的」言語理論について
形而上学の解体/言語ゲーム/「言語」の現象学/ハイデガーの言語意味論
4章……エクリチュールと「作者の死」
言語の信憑構造/言語の「意味」とは何か/エクリチュールの構造/文学テクストの本質
5章……一般言語表象
一般言語表象と言語の多義性/指示理論について
6章……「意味」の現象学
「意味」の存在論/「発語」の現象学/規則のパラドクス
7章……「正義」のパラドクスと「否定神学」
否定神学/正義のパラドクス/倫理の現象学
終章……現代的「超越項」
「語りえないもの」の複数性/現代的「超越項」について