紹介
戦後折口学の核心に迫り、折口芸能史の全貌がはじめて明らかにされる
▼昭和20年度、22年度、23年度に行なわれた折口信夫の芸能史講義を、池田彌三郎ノートをもとに書籍化。
▼踏歌、田楽、幸若舞、猿楽、歌舞伎、相撲――折口の古代研究の基底をなす「芸能史」の全体像に迫る未発表講義録。
われわれの言う「芸能」の説明では、
芸能は演芸に一番あたる。
せり詰めてゆくと、最後の点では
演劇的なものに到達するようだが、
実際は演劇でないものがたくさんある。
(略)概括して言うと、演劇、舞踊、
歌謡、あるいは曲芸というより
詭芸(軽業、手品)、
こういう種類のものだ。
それから広い意味の武術、
その中、特殊なもので相撲。
そういうものがみな芸能だ。
(本文より)
目次
小 序 西村 亨
凡 例
昭和二十年度芸能史
一 かづらもの
二 日本芸能における男芸女芸の研究
三 神がかりの動作以外のもの、定家、通小町、墨染桜、雪
四 乙女の舞
昭和二十二年度芸能史
一 芸能史を芸能自身から釈いてゆく行き方
二 翁、松拍
三 鏡板の松
四 傘
五 道中芸
六 能役者、祝福芸
七 祝言職
八 旅 行
九 くぐつ・ほかひ
十 芸能団の遊行
十一 放 浪
十二 旅行の文学
十三 漂泊者の芸能
十四 歌舞伎芝居の一考察
十五 かぶきの草子
十六 歌舞伎の話の結論
昭和二十三年度芸能史
一 語 義
二 鎮魂法
三 鎮魂儀礼、あそび
四 神あそび、狂乱
五 宮廷の神楽、はいりこんだもの
六 ものぐるい
七 つきもの
八 狂女、百万・山姥、かつらおび
九 芸能と宗教との関係、修羅物
十 舞 踊
十一 舞、神迎え
十二 女 舞
十三 東遊び
十四 東の歌
十五 武官・もののふ、相撲の話
十六 相 撲(一)
十七 相 撲(二)
十八 相 撲(三)
昭和二十三年 都民講座
都民講座 一
都民講座 二
都民講座 三
都民講座 四
解 題 伊藤好英・藤原茂樹・池田 光