目次
はじめに
第一章 『荆楚記』と『荆楚歳時記』
はじめに
『荆楚記』について
『荆楚歳時記』の成立時期
『藝文類聚』所引の『荆楚記』
『舊唐書』経籍志の『荆楚歳時記』について〔『舊唐書』経籍志の記載内容の年代
『舊唐書』経籍志に記載する『荆楚歳時記』〕
十世紀以降の『荆楚歳時記』〔賛寧の『筍譜』に引用する『荆楚歳時記』
宋代の筆記(学問的随筆)に引用する『荆楚歳時記』
『崇文総目』の『荆楚歳時記』
『郡斎読書後志』と『直斎書録解題』の『荆楚歳時記』
『通志』藝文略の『荆楚歳時記』〕
本章のまとめ
第二章 『藝文類聚』所引の『荆楚歳時記』
はじめに
『藝文類聚』所引の『荆楚歳時記』の検證〔正月七日、人日。七種粥。綵の人勝。華勝/正月十五日、豆糜を作り、門戸を祠る/正月十五日の夕べ、紫姑神を迎え、諸事を占う/元日より月晦に至り、酺聚飲食す/寒食/盂蘭盆/桃は五行の精〕
杜公瞻撰『荆楚歳時記』の成立時期/宗懍撰『荆楚歳時記』の成立時期
本章のまとめ
第三章 『荆楚記』の逸文
はじめに
『玉燭宝典』所引の『荆楚記』〔元日、庭前に爆竹する/謝霊運の造花の仏花/竹箸を燕に擲る/寒食の疾風甚雨/夏至と五月五日の筒糉/伏日の湯餅/六月の氷鑑/七夕の乞巧/八月一日の天灸/十月朔日、黍臛を為る/冬至の赤豆粥/臘日に竈神を祭祀する/臘日の夜に蔵鈎の戯を行う/歳暮の送歳行事〕
『初学記』所引の『荆楚記』〔百草を蹋む。艾の人形/歳暮の送歳行事/宿歳の飯〕
『白氏六帖事類集』所引の『荆楚記』〔社日/百草を闘わす/歳暮の送歳行事〕/『太平御覧』所引の『荆楚記』〔歳暮の送歳行事/臘日の蔵鈎/宿歳の飯〕
『歳華紀麗』所引の『荆楚記』〔百草を蹋む/屈原を救う/艾の人形/七夕の乞巧/結夏と解夏/八月一日の天灸〕
その他の文献に引用する『荆楚記』〔節木鳥/巻耳(おなもみ)/鶏寒狗熱/屈原、汨羅に死ぬ/蔵鉤(蔵鈎・蔵彄)/人勝(人形の髪飾り)/寒食/臈月(臘月)/湯餅〕
本章のまとめ
第四章 『荆楚歳時記』の注記と本文の検證
はじめに
『荆楚歳時記』の注記(「一字下げ」箇所)に『荆楚記』の記事がある事例〔五月五日、競渡し、雑薬を採る/夏至節の糉/八月一日、小児の額に天灸を施し、眼明囊を作る/九月九日、四民並びに野に藉りて飲宴す/歳暮に蔵彄(蔵鉤)の戯をする/陰氏、世世其の福を蒙る〕
『荆楚歳時記』の本文
(「一字上げ」箇所)に『荆楚記』以外の記事がある事例〔元日は三元、正月は端月/鶏鳴いて起きる/庭前に爆竹し、山臊の悪鬼を辟く/画鶏、桃板、門神(神荼と鬱壘)/屠蘇酒、膠牙餳、五辛盤、敷于散、飲酒の次第、葷を食わず/人日の七種粥、人勝と華勝/人日の登高/立春、髪飾り、〈宜春〉の字/正月十五日、豆糜を作り、門戸を祠る/正月十五日の夕べ、紫姑神を迎え、諸事を占う/元日より月晦に至り、酺聚飲食する/春分の日に戒火草を種える/寒食/五月は悪月、牀と薦席を曝すを忌み、屋を蓋うを忌む/五月五日を浴蘭節という。百草を蹋み、百草を闘わすの戯あり/伏日の辟悪餅/七夕乞巧/九月九日、四民並びに野に藉りて飲宴す/十月朔日、黍臛を為る。秦の歳首/鹹葅(漬物)/十一月、蘘荷を塩蔵する/冬至、赤小豆粥を作る/十二月八日を臘日とする記事/臘日の蔵鈎/臘日に竈神を祭る〕
『荆楚歳時記』の本文(「一字上げ」箇所)が杜公瞻が造作した記事と想定される事例〔寒食の日、闘鶏をする/盂蘭盆/九月九日、四民並びに野に藉りて飲宴す〕
本章のまとめ
第五章 屠蘇酒と七種粥(七草粥)
はじめに
屠蘇酒〔屠蘇酒の初見『小品方』の屠蘇酒
『雑五行書』の屠蘇酒
『玉燭宝典』の元日酒
『荆楚歳時記』の屠蘇酒
『荆楚歳時記』の元日の食膳記事
杜公瞻が附加した屠蘇酒と膠牙餳/孫真人(孫思邈)の「屠蘇飲論」
孫思邈の『備急千金要方』の屠蘇酒
『四時纂要』の屠蘇酒〕
七種粥(七草粥)〔『荆楚歳時記』の人日記事/『玉燭宝典』の人日記事/「又造華勝、以相遺」〕
本章のまとめ
本書のまとめ
【図版目次】
口絵1「秦婦吟」(巻子本 巻首部分)…敦煌文献・伯三三八一
口絵2『玉燭宝典』巻一・正月(「其月十五日、則作膏糜、以祠門戸」の部分)… 国立国会図書館蔵・デジタルコレクション
口絵3『玉燭宝典』巻十二・十二月(「十二月八日、沐浴」の部分)… 国立国会図書館蔵・デジタルコレクション
1「秦婦吟」(巻子本 巻末部分)… 敦煌文献・伯三三八一
2『文昌雑録』巻三所引の『玉燭宝典』 … 乾隆丙子(一七五六)版 雅雨堂本
3『白氏六帖事類集』巻一「正月十五日第四十・紫姑卜」 … 南宋・紹興刊本 新興書局印行
4『文昌雑録』巻1所引の『異苑』(「紫姑神」引用部分) … 乾隆丙子(一七五六)版 雅雨堂本
5蒼耳(巻耳:オナモミ)…『救荒本草』巻四草部「葉及実皆可食」
6方相氏……『中国陵墓雕塑全集』(陝西人民出版社 二〇〇九)
7防風…『救荒本草』巻一草部「葉可食」