目次
日本の読者のみなさまへ
翻訳者まえがき
第1部 理論
第1章 ナラティヴ・アプローチとは
ピーターの物語
ナラティヴ・アプローチの特徴
ナラティヴ・アプローチに影響を与えたもの
問題を解体,脱構築すること
影響の描写と外在化する会話法
問題に向かってクライアントとカウンセラーが団結する
オルタナティヴ・ストーリーを探して
好ましい物語の履歴を書き上げていく
自己を再定義する始まり
観衆を生み出す
可能性を探る質問を通して将来に備える
決まり切った手順ではない,ナラティヴ・アプローチのあり方
ナラティヴ・カウンセラーの姿勢
好奇心の重要性
人が問題なのではない,問題が問題なのだ
第2章 ナラティヴ・アプローチの理論的背景
言語とその力
意味のある人生を生み出す
ディスコースと力関係
位置づけ
ディスコースを通して形づくられる私たち
位置づけの要請
現実と知識
相対主義と倫理的実践
理論をどのように実践に結びつけるか
物語とオルタナティヴ・ストーリー(新しい物語)
エイジェンシー,あるいは「自らの声をもつこと」
耳をすませ,脱構築すること
外在化
「問題」の再検証
再び,アイデンティティ
自分自身の位置づけ
第3章 治療的関係(カウンセリング関係)
カウンセリング・ルームに入る前に
共著,または権威を分け合うこと
職業的な実践
カウンセラーが話す前に
つながりをつくりあげていく
カウンセラーの権威を利用する
物語を聞く
観客としてのカウンセラー
新しい物語を有効なものとしていく
マリオンの物語
カウンセラーの物語を持ち込む
転 移
もう少し転移について
第4章 ナラティヴ・アプローチのトレーニング
ナラティヴ・アプローチと他の方法論との比較
機械の治療:故障した機械を修理する
ロマンティシズムの治療:タマネギの皮を剥く
ポストモダンの治療法:物語
ナラティヴ・アプローチの主要な概念と技法
より好ましい描写
忍耐強く,純粋な好奇心をもつ姿勢
ディスコース
位置づけ
脱構築
エイジェンシー
つまずきとなる障害をどう切り抜けるか
外在化する会話法の使用
問題がその人に与える影響を描写する
クライアントが好む状態を決定する
クライアントが問題に与える影響を描写する
問題から離れているユニークな出来事を探し出す
望ましい出来事に貢献した力を探求する
好ましい発展を見守る観衆を探す
変化が自己描写に与える影響を認識する
新発見の効果の可能性を考える
カウンセリングにおける発展を記録する
手紙を書く
継続的な発展を支えるために
「それではご機嫌よう」と言う前に
第2部 実 践
第5章 レイラと虎:精神医学におけるナラティヴ・アプローチ
治療の開始
予 約
精神科の病歴を記録する
クライアントからの主訴
主訴の経過の記録
家族歴
個人歴
以前の精神科の病歴
投薬治療の記録
省みていくこと(内省)
内省する同盟関係
関心を分け合うコミュニティ
職業的なスーパービジョン
個人的な変革
害を与えない
同僚の反応
第6章 アルコール依存の物語に対抗する
個人的な歴史を再考する
ひとくくりにしてしまう描写の問題点
障害の言語
性差別主義的言語
「アルコール」のアイデンティティ
アルコール・カウンセリングにおけるナラティヴ・アプローチ
アルコールの外在化
文脈のなかのアルコール
アルコールの擬人化
アルと離別する
責 任
エイジェンシーを取り戻す
「アルコール依存」のディスコースとそれが私たちの目をくらます力
対処する力を取り戻す
新しい物語をつくりあげる
新しい物語の観客をつくりだす
第7章 ナラティヴ・アプローチによるスクール・カウンセリング
「壁」
問題を人から分離する
壁の隙間
観衆を広げていく
カウンセラーにとっての資源としての学校
取り崩しの後で
前に戻ること
新しい物語を文章化する
学校のショート・ストーリー
サリーと「落ち込み」
盗みからの脱出
学校でのトラブル
カウンセリング関係における位置づけ
第8章 調停における問題解決からナラティヴ・アプローチへ
問題解決モデル
新しいナラティヴの比喩
シナリオ
物語の背後の物語
調 停
調停者による事前の調整
分離セッション
問題の物語における人物の影響を描写する
合同セッション
調停者の役割
ナラティヴの質問技法
オルタナティヴ・ストーリーを発展させる
合意を発展させる
新しい物語を維持する
合意について振り返る
文 献
人名索引
事項索引