目次
序文
第一部 国語教育への提言
1 作文指導への提言─読み手や書き手の知識の変容へ─
はじめに
1.物語ることから文字作文へ
2.作文産出の過程
3.作文による知識の変容
2 読解指導への提言─教育心理学からのアプローチとは─
1.授業実践の解説書を読む
2.教育心理学と国語教育との「学際化」に向けて
3 読書指導への提言─対話を生む読書指導へ─
図書の時間はのんびりタイム
二段式積み上げ指導論と暗黙の読書教育観再考
読書経験の共有と学び合う関係の形成
4 授業実践への提言─子どもの主体的な「読み」と対話をめざした文学教育─
物語文の授業と子どもたちの「読解」
「作者の死」と「読者の復権」
因果分析と物語の意味表象モデル
対話による教室の学び
「つぐない」対「友達」の論争を超えた先にあるもの
学校や教室の「学び」とは何なのか
コメント 心理学と国語科教育の新しい関係─子どもの実態把握をもとにこれからの実践方向を─
「過程」の解明がもたらすもの
「モデル」が拓く新たな可能性
理念の盲点を明らかにする
研究の境界はあるのか
第二部 算数・数学教育への提言
1 数と計算
1.たし算とひき算
2.割合
2 数概念の発達
認知発達の諸理論
新ピアジェ派の認知発達論
就学前の子どもの数概念──二つのスキーマ
六歳児の数概念:二つのスキーマの統合
八歳児の数概念:二次元的思考
十歳児の数概念:統合された二次元的思考
子どもの数概念と算数教育
3 算数文章題の解決
はじめに
算数文章題を解くのはなぜむずかしいのか
算数文章題の解決過程
算数文章題の問題文理解
おわりに
4 心理学からみた数学教育
何のための数学教育か
1.数学を活かして学ぶ──道具としての数学
2.数学を通して学ぶ──転移する能力の育成
3.数学のおもしろさを味わう──数学文化への参加と鑑賞
4.おわりに
コメント 算数・数学の学習指導改善のために
1.既修事項との関連をはかる
2.数感覚を生かした計算指導
3.教材としてのノン・ルーチンな文章題
4.算数・数学の有用性の強調
第三部 理科教育への提言
1 ルール(法則)を教え、学ぶこと
ルールの学習
高いレベルの科学─自然科学の基本的なルール
教材を思いきってルール化する
例外の役割
学習者も自分たちなりのルールを持っている
おわりに
2 理科が好きになる─理解を重視した理科教育
贋金にご用心!─概念の有用性
ものの重さが違うわけ─モデルの構成
形式と意味の狭間で
最後に
3 科学的概念の学習はどう行なわれるか─提示事例の有効性をめぐって─
金属の学習と焦点事例
どれが正しい?
概念の異種定式化説
提示事例の配列順序
最後に
4 「学ぶ意欲」と「知識」
架空シンポジウム:「理科教育」をめぐるそれぞれの立場
世界の三大物質「金属の仲間」「塩の仲間」「砂糖の仲間」
この例が意味すること
架空シンポジウム:続き
コメント 『わかるとは』を求めて
第四部 生活科教育への提言
1 生活科への期待と学校・教師の仕事
選択肢の多い生活科
注文も多い生活科
具体的な体験が旗印の生活科
活動の醍醐味を味わわせる生活科
書かせることを急がない生活科
なお実験的試みが必要な生活科
2 幼児教育から学ぶ生活科
幼稚園観察はなぜ疲れるのか?
保育内容からの連続
幼児が抱く小学校のイメージ
遊び勉強とはいうが─教科書の功罪
就学を境にして何が変わるか
教師も体験から学ぶ
3 「こだわり」をめぐって─ある授業風景から─
こんな子どもたちに出会った
─四年総合学習「手づくりコンサートをしよう」
こんな子どもたちに出会った
─二年生活科「おてつだいだいさくせん」
こんな子どもたちに出会った
─二年総合学習「おまつりをしよう」
こんな子どもたちに出会えて
4 生活科─活動を越えて何を学ぶか─
はじめに
事例1:算数文章題の意義
事例2:統合的授業の評価
事例3:地図課題コーパス
伝達における質の向上
コメント 生活科 パターン化してよいのか?
第五部 外国語教育への提言
1 文章理解における能動性─外国語教育に関する認知心理学からの示唆─
文書売り買いにおける能動性とは
能動性を発揮させるためには
文の理解における能動性
おわりに
2 日本語教育と英語教育の教授法をめぐって
コミュニケーション能力を養成するための教授法
学校教育における教授法
CAに対する批判
言語能力の習得における中間言語の役割
CAと学習の動機づけ
最後に
3 外国語の偶発的な習得とコミュニケーション能力
「こころ」の心理学と「あたま」の心理学
楽しく効率よく学習するために
外国語の教授法の二分類
カナダのイマージョン・プログラム
言語の学習・習得・獲得
4 役に立たない英語教育と言われないために
貧しい日本の英語教育
「文法訳読法」はなぜ「貧しい」のか
認知発達と英語教育
認知心理学と英語教育
これからの日本の英語教育
コメント さらに「役立つ」英語教育へ
あとがき