目次
はじめに-本書の案内
Ⅰ.女性と社会福祉政策
映画評/ 町と自分の人生のために:女たちの挑戦を描く『フラガール』
1. 石炭産業の衰退 / 2. ストーリー / 3. 撮影とその周辺のエピソード
書 評/ イエスタ・エスピン=アンデルセン著・大沢真理監訳 『平等と効率の福祉革命:新しい女性の役割』
1. はじめに / 2. 本書の内容 / 3. 解題と翻訳について / 4. エスピン=アンデルセンとフェミニスト研究 / 5. 本書の特徴と日本の課題
書 評/ 上野 千鶴子『ケアの社会学:当事者主権の福祉社会へ』
1. 社会福祉とジェンダー / 2. 本書の内容 / 3. 介護保険の評価 / 4. 協セクターへの期待
映画評/ 『スタンドアップ』が描く「働く女性の権利」
1. 「男の職場」で働く女性が経験したこと / 2. 男女平等雇用法の進展 / 3. 現実の訴訟の経過 / 4. アニタ・ヒル事件
書 評/レ ナ・ドミネリ著・須藤八千代訳『フェミニスト・ソーシャルワーク:福祉国家・グローバリゼーション・脱専門職主義』
1. 社会福祉におけるフェミニスト研究の動向 / 2. 本書の内容と特徴 / 3. 日本のソーシャルワークの課題について
書 評/ 吉川 真美子『ドメスティック・バイオレンスとジェンダー:適正手続きと被害者保護』
1. 本書の目的 / 2. 問題の所在 / 3. アメリカのDV 政策 / 4. 2 つのコメント
Ⅱ.アメリカの政策/大統領選挙をめぐる動向
映画評/ 『ドリームガールズ』が意味する「夢」について
1. 「ブロードウエイ・ミュージカル」対「映画」 / 2. ストーリー / 3. ストーリーの歴史的背景 / 4. 公民権運動の進展
映画評/ 『ミリオンダラー・ベイビー』に見るアメリカの光と影
1. クリント・イーストウッドの注目作 / 2. 「女性ボクサー」という存在 / 3. 貧困な母子世帯と社会福祉 / 4. 後半の展開
書 評/ バーバラ・エーレンライク著・曽田和子訳『捨てられるホワイトカラー:格差社会アメリカで仕事を探すということ』
1. 「潜入ルポ」という方法 / 2. ホワイトカラー失業者の生活 / 3. 不安定化する労働・企業 / 4. 団結し,運動すること
書 評/堤 未果『沈みゆく大国:アメリカ』
1. アメリカの医療改革について / 2. 医療保険の現状 / 3. 2 つの保険制度:「単一支払い皆保険医療制度」と「公的保険オプション」 / 4. 今後の展開
映画評/ア メリカの「島の貧困」を描いた『ウィンターズ・ボーン』
1. 映画の特徴とストーリー / 2. 映画の製作について / 3. ヒルビリーといわれる人々 / 4. 豊かな社会のなかでの「貧困の再発見」 / 5. 映画の結末とその行方
書 評/ J. D. ヴァンス著・関根光宏・山田文訳『ヒルビリー・エレジー:アメリカの繁栄から取り残された白人たち』
1. 誰がトランプ大統領を支持したのか / 2. 本書の内容 / 3. ヒルビリーといわれる人たち / 4. 白人労働者の貧困問題とトランプ大統領の今後
書 評/ エリザベス・ウォーレン著・大橋陽訳『この戦いはわたしたちの戦いだ:アメリカの中間層を救う闘争』
1. はじめに / 2. トランプ大統領の出現 / 3. アメリカの中間層の創出と崩壊 / 4. 戦うための「基本原則」とは / 5. マイケル・ムーア『華氏119』の主張 / 6. 戦い続けるために
映画評/ 『ビリーブ:未来への大逆転』最高裁判事, ルース・ベイダー・ギンズバーグがたどった軌跡
1. 2019 年に公開された2 作 / 2. 映画のストーリー / 3. 最高裁判事に女性が入る / 4. 最高裁判事に黒人が入る / 5. 反トランプのアイコンとして
Ⅲ.世界の趨勢と歴史から学ぶ
映画評/ 『かもめ食堂』に集う,普通の女たちの冒険物語
1. 口コミによるヒット / 2. ストーリー / 3. なぜ,フィンランドなのか / 4. フィンランドという国 / 5. 新しい冒険のはじまり
映画評/ 『ミレニアム:ドラゴン・タトゥーの女』に見る福祉国家スウェーデンの現実
1. スウェーデン製の,スウェーデン語による映画 / 2. 映画のストーリー / 3. 原作と著者 / 4. 福祉国家スウェーデン / 5. 映画に描かれる暴力 / 6. スウェーデンと「女性への暴力」 / 7. 福祉国家のジェンダー課題
映画評/ 『Shall we dance?』の日米比較
1. 日米の競作 / 2. シナリオの違い / 3. 「ラスト」の違い / 4. 女性の現実を描くということ
映画評/ 『隠された日記~母たち,娘たち~』女性解放運動がフランスにもたらしたもの
1. 映画の見どころ / 2. ストーリー / 3. 1968 年の5 月革命 / 4. その後の進展 / 5. なぜフランスでは出生率が高いのか─「フランス型福祉国家」の挑戦
映画評/ 『オレンジと太陽』が描く,イギリスの児童移民政策を明らかにするソーシャルワーカーの戦い
1. 監督・原作・経過 / 2. ストーリー / 3. イギリスのソーシャルワーカーとは / 4. 児童移民政策の目的とその後
映画評/『 砂の器』ハンセン病をめぐる差別と排除の長い歴史
1. 映画のストーリー / 2. 松本清張の原作 / 3. 捜査の進展と結末 / 4. ハンセン病をめぐる政策史 / 5. TVドラマとしてリメイクされた『砂の器』 / 6. ハンセン病をめぐる今日の現状:差別について考える
書 評/ミシェル・オバマ著・長尾莉紗・柴田さとみ訳『マイ・ストーリー』
1. 本書の成り立ち / 2. 子ども時代を過ごしたシカゴの黒人街 / 3. 高等教育へと背中を押したもの / 4. オバマから受けた影響─自分が本当にしたいことを仕事にする / 5. ホワイトハウスを後にして
初出一覧
著者略歴