紹介
「動物と話してみたい」人類はその夢にどこまで近づいたのか?巨大海獣とビッグデータが出会う最前線の旅へ――!■あらすじ2015年、ザトウクジラが海から飛び出し、私の上に落ちてきた。奇跡的に無傷で生還するも、知人の専門家に後日こう言われた。「助かったのは、クジラがぶつからないように配慮したからでしょう」。もちろん、なぜそうしたのと尋ねるなんて不可能ですが、という一言も添えて……。しかしその後、「動物用のグーグル翻訳」の開発を目指す二人の若者が私のもとを訪ねてきた。そもそもなぜ、クジラと人間は話せないのか? シリコンベースの知能が炭素ベースの生命に向けられたとき、動物と人間の関係はどう変化していくのか?――本書は、国際的評価の高い映像作家である著者が、生物学の世界で起こる革命を丹念に追ったドキュメントであり、Amazon Books編集部が選ぶ「ベスト一般向け科学書2022」のTOP10、『ニューヨーカー』誌が選ぶ「必読書2022(ノンフィクション部門)」に選出された。このたびの日本語版では、71点の図版と2023年のペーパーバック版に加えられたロジャー・ペイン(ザトウクジラの歌を発見した海洋生物学者)への追悼文ともいえる「あとがき」を完全収録。人類と動物の幸福な未来、よりよいコミュニケーションのあり方を模索したいと願うすべての人に贈る一冊。
目次
序章 ファン・レーウェンフックの決断
第1章 登場、クジラに追われて
第2章 海の歌声
第3章 舌のおきて
第4章 クジラの喜び(ジョイ)
第5章 「体がでかいだけの間抜けな魚」
第6章 動物言語を探る
第7章 ディープマインド――クジラのカルチャークラブ
第8章 海にある耳
第9章 アニマルゴリズム
第10章 愛情深く優雅な機械
第11章 人間性否認
第12章 クジラと踊る
あとがき 耳を傾けて