目次
序章 はじめに
1 研究動機
2 インクルージョンをめざす意義
(1)「ノーマライゼーション」概念の整理
(2)先行研究からみる「ノーマライゼーション概念」の変遷
(3)「インクルージョン」概念を用いる意義
3 「学童保育論」の整理と本書の目的
(1)本書のスタンス
(3)学童保育論の整理―本研究の位置づけ
4 本書の構成
第1部
第1章 「学童保育実践」の事例と可能性
1 「学童保育」の集団の力―インクルーシブな実践の可能性
(1)指導員の実践の工夫
(2)大縄跳びもみんな一緒に
(3)ドッチボール大会に向けて
(4)指導員同士の連携の力
(5)指導員の存在と子どもたちの関係構築
2 障害のある子どもと異年齢集団
(1)異年齢でのかかわり
(2)受け入れる子どもたち
3 事例からみる学童保育の可能性
第2章 障害のある子どもたちの放課後生活の場としての「学童保育」の意義
―「じゃがいも子ども家」におけるフィールドワークを通して―
1 学童保育所「じゃがいも子どもの家」の概要
(1)歴史
(2)保育運営について
2 指導員の子どもに対する媒介行為
事例1 氷鬼ごっこ
事例2 昼食の場面
(1)学級の概念
(2)学習集団モデル
(3)生活集団モデル
(4)子ども同士のかかわりにおける媒介行為についての議論不足
(5)学級経営モデルと「じゃがいも子どもの家」の比較
(6)指導員の障害のある子どもと健常児の媒介行為
3 「学童保育」の柔軟性を生かす実践
事例1 ボクシング
事例2 地域の子どもと障害のある子どもとのかかわり
(1)教師との比較
(2)学童保育指導員の専門性
(3)メタ的考察―3つの相、ディレンマとの照合
(4)柔軟性をいかす実践
4 「学童保育」の「社会的オジ」としての役割
事例1 高校進学
事例2 地域の中での準拠者としての役割
(1)学童保育の「社会的オジ」としての役割
(2)学童保育の地域共同体性―地域に根ざした近所のオジ
(3)学童保育的なオジの役割の可能性
5 近年の動向についてのインタビュー
「スタッフ」の待遇の問題
「共に生きる」「インクルーシブな実践」の課題
6 学童保育―共生の場としての可能性
第3章 第3の教育の場としての学童保育論
―元・学童保育指導員及川房子の実践をもとに―
1 「及川実践」に関する概要
(1)リーダー制
(2)班活動
(3)実践の結果―卒業生の言葉をもとに
2 「及川実践」の基本行程―保育日誌の記録をもとに
(1)第1段階(約1~2カ月の間)
(2)第2段階
3 「及川実践」の教育の場としての可能性についての視座
第2部
第4章 「学童保育」の現在と独自性について
1 「学童保育」の現在までの概要
2 これまでの「学童保育研究」と考えていきたい点
(1)最近の「学童保育研究」
(2)考えていかなければならない点
3 「学童保育」とは―定義と課題
(1)学童保育の一般的な定義
(2)学童保育の近年の動向
(3)学童保育の課題
学童保育の大規模化
指導員に関する課題
学童保育の運営基準の設定の問題について
障害のある子どもたちの受け入れ
「放課後子どもプラン」「全児童放課後施策」に関する動向
4 「学童保育」の独自性とは
(1)「学童保育事業」と児童館との一元化問題から見えてくる視点
児童館の概要
学童保育との一元化
(2)「全児童対策」との競合から見えてくる課題
(3)「学童保育」の独自性についてのまとめ
第5章 地域の教育力と子どもたちの放課後
1 「子どもの放課後」について考える
(1)「地域の教育力」と放課後施策
(2)学童保育と子どもの放課後生活
(3)子どもたちの放課後生活の管理化
2 「地域の教育力」と放課後施策
(1)「地域の教育力」概念の研究
(2)「放課後施策」に関する先行研究
(3)先行研究からのポイント
(4)「地域の教育力」とは―概念の整理と課題
3 学童保育と放課後生活―「及川実践 」を参考に
(1)事例についてのまとめ
(2)学童保育における教育的な実践の意義
(3)学童保育と「子どもの主体性の育成」
(4)学童保育の可能性
4 子どもの放課後の管理化
(1)「地域の教育力」の復興の現状
(2)放課後生活の課題―事例を含め
事例 C小学校の全児童対策事業
「地域の教育力」低下論と「管理される放課後」
5 子ども集団の教育力―子どもたちの放課後の今後の課題
(1)「子ども集団の教育力」をキー概念とする実践から考える
(2)「放課後」の今後の課題
6 まとめ
第6章「ソーシャル・インクルージョン」と「学童保育」
1 本章で考えていきたいこと
(1)障害のある子どもを受け入れる「学童保育」と特別支援教育の影響
(2)「ソーシャル・インクルージョン」と社会的排除
(3)「ソーシャル・インクルージョン」と学童保育
2 これまでの研究とポイント
(1)これまでの研究
(2)本章のポイント
3 障害のある人と「ソーシャル・インクルージョン」「社会的排除」について
(1)「ソーシャル・インクルージョン」「インクルージョン」「社会的排除」と障害のある人たち
「インクルージョン」「インクルーシブ教育」
「ソーシャル・インクルージョン」「社会的排除」とは
障害のある人たちの「社会的排除」における位置づけ
4 学童保育におけるインクルーシブ実践のポイントの提示
(1)学童保育におけるインクルーシブ実践を考えるうえでの視点
「子どもの家」の実践から
「及川実践 」から
(2)学童保育におけるインクルーシブ実践のポイント
5 「社会的排除されるリスクを負っている存在を受け入れていく協働の実践による人間形成の場」としての学童保育
(1)「障害のある人たち・子ども」の「社会的排除」問題について
(2)「障害のある子ども」と「特別な場」
(3)「障害のある子ども」と「社会的排除」問題との関係について
(4)「社会的排除されるリスクを負っている存在を受け入れていく人間形成の場」としての学童保育の役割
6 「地域のつながりを構築する連携の場」としての学童保育
(1)課題として考えたいこと―学童保育とソーシャル・インクルージョンに関する研究
(2)障害のある子どもたちを受け入れる学童保育のタイプ別分類による分析
タイプ別分類
3つのタイプの分析
(3)地域のつながりの構築の場としての学童保育―「ソーシャル・インクルージョン」と「学童保育」
7 まとめ
第7章 連携と協働の「学童保育」
1 本論考のまとめ
(1)学童保育は単なる子どもの居場所ではない
(2)人間形成の場としての「学童保育」―「ソーシャル・インクルージョン」実現に向けた協働の実践
(3)地域の繋がりの場としての「学童保育」―「ソーシャル・インクルージョン」実現に向けての連携
2 「連携と協働」の場としての「学童保育」
参考文献
謝辞