目次
はじめに
第一章 岡山・明治六年初夏
ひとつの石碑/殺された者の水平社宣言/白装束の男/奇怪な噂/前夜の謀議/一揆起こる/最初の部落襲撃/炎上/酒で水車がまわる/「さながら昼のごとし」/進撃/衝突/美作全土に拡大/加茂谷の暴威/三部落の協議/「穢多でようござんす」/津川原の抵抗/竹槍/麦畑の中を/津川原の陥落/老女の死/落石/山火事/大庭での一夜/竹槍で胸もとを/差別の強制/被害者意識と殺意/部落民の選別/九人の惨殺/母親みえ/正視の影/士族の仲介/二つの顔をもつ要求書/賤民廃止令の撤回/士族の指導?/広がる部落襲撃/うすれる記憶/覚えられた顔/誇りはもっていても/日上部落の一揆参加/「屠牛だけは許さない」/みじめな敗退/悲しみの祝い歌
第二章 賤民廃止令の公布
明治維新と賤民廃止令/廃止令誕生の秘密/廃止令の衝撃/解放の始まり/勝利の宣言/なぜ一揆が起きなかったのか/少数者ゆえの困難
第三章 兵庫・明治四年秋
最初の部落解放反対一揆/締めつけ/土下座を捨てた日/「竹槍仕事になるぞ」/一揆勃発と奇妙な噂/「反農民」の証明/下層農民の決起/「外国人がやってくる」/外国人と部落/姫路への攻撃/一揆と高木部落/恐怖の涙/闇夜のなかで/燃える生野鉱山/食い止めた部落襲撃/農民のうめき/痛恨の碑
第四章 四国・明治四年冬
道後湯の差別/膏取り一揆/部落民を清める?/便器のたとえ/一揆のお告げ/戸波部落の闘い/暗夜の襲撃/坂折部落の抗戦/「百姓を穢多にする!?」/一揆の自壊
第五章 岡山・明治五年春
村ぎめ/闇夜のリンチ/殺意の暴発/裸の土下座/「穢多征伐」/酒盛り/「敵は部落」/「敵を残すな」/渋染一揆の伝統
第六章 屠牛反対一揆から明治六年夏へ
天皇と部落/天皇の肉食/悪政のシンボル/燃える屠牛場/屠殺への差別/開化と復古の谷間/農民一揆の光と影/「子う取り姿さん」/報復の放火
第七章 福岡・明治六年夏
風呂屋での出来事/静かな対立/寺院への期待/天地を震わす念仏の声/「いずれなにかが起こる」/雨乞いの夜/闇夜の乱闘/予想外の効果/一揆への変貌/部落の一揆参加/士族の共感271/「穢多は従来通りに」/波打つ竹槍/「これはおれの一揆じゃなかばい」/堀口村の闘い/あぶりだされた農民の心/「穢多狩り」の始まり/県庁炎上/「部落が放火にくる」/「穢多狩り」の嵐/だまし討ち
おわりに
資料・明治初年の部落解放反対騒擾年表・地図