目次
序章
なぜ今、魯迅そして毛沢東なのか? 二人を同時に扱うこと
戦後日本の受容、及び「改革開放」以降 中国モダニティの要素とその導き手
知識人問題としての現代中国
1.中国モダニティの基点 一九一九年「五・四運動」を中心に
迷走する中国 五・四運動という出来事 五・四運動と中国モダニティ
もう一つの「五・四」、中国を発見すること 『吶喊』の処刑イメージ――五・四運動の陰画
毛沢東による「民衆の大連合」 一九一九年からの中国、日本、そして魯迅
2.モダニティの分裂、クニの分裂 一九二七年「反共クーデタ」を中心に
ポスト「五・四」の時空──「国民革命」 党と軍の時代 階級を発見する毛沢東
「虐殺」の時代 分裂する言葉 分裂するクニ 分裂するモダニティ
中国の闇、世界の闇
3.反転する闇 一九三六年「長征」終了と魯迅の死
魯迅の死 抗日民族統一戦線への流れ 上海の三〇年代 魯迅の行動哲学
「土地革命戦争」の総括 西安事件から『実践論』『矛盾論』へ
4.思想「改造」という踏み台 一九四二年「文芸講話」を中心に
毛沢東と共産党の歴史スパン 知識人の参加に向けて 「新民主主義論」と知識人
「文芸講話」と知識人 新中国成立からの「整風」 五〇年代新中国における知識人の運命
5.中国プロレタリア文化大革命を再考する 一九六八年、一九七一年を中心に「文革」への流れ「文革」の始動 一九六八年夏の意味 知識人/大衆/毛沢東
文芸(文学)、あるいは魯迅 一九七一年「林彪事件」の意味 近代国家建設と「文革」
「文革」の終わり方と「改革開放」
6.地獄を思い出すこと 中国における魯迅、毛沢東読解
中国の八〇年代~九〇年代 魯迅読解の変遷――汪暉を中心として
九〇年代以降の魯迅、毛沢東の扱い――汪暉の「民族形式」論争論を中心に
7.自分の肉を煮るために 日本における魯迅読解
竹内好『魯迅』からの出発 竹内『魯迅』の乗り越え 『魯迅』読解の多様化
魯迅受容という関門
終章
魯迅のプロレタリア像――「破悪声論」から「首つり女」 竹内好の毛沢東像の検討
(中国的)後発近代――思想「改造」と知識人の「負い目」
注
あとがき
魯迅・毛沢東関連年表
索引