目次
はじめに
TALIS 2018 国立教育政策研究所 所内研究協力者
本報告書を読む際の注意
第1章 TALISの概要
1.1 調査の概観
1.2 調査の目的
1.3 調査時期
1.4 調査の対象
1.5 質問紙
1.6 標本抽出
1.7 日本の実施率
1.8 本報告書の範囲・構成
1.9 参加国
1.10 TALISが提供する調査結果の捉え方
1.11 調査実施体制
第2章 教職の評価と地位の向上
要旨
2.1 教職の社会的評価
2.1.1 教員が実感する教職の社会的評価
2.1.2 校長が実感する教職の社会的評価
コラム2.1 日本の現状確認1:日本における教員・校長が実感する教職の社会的評価
2.2 教員・校長の仕事に対する満足度
2.2.1 教職そのものに対する満足度
コラム2.2 日本の現状確認2:日本における教職そのものに対する満足度
2.2.2 仕事環境や総合的な仕事に対する満足度
コラム2.3 日本の現状確認3:日本における総合的な仕事に対する満足度
2.3 教職の仕事によるストレス
2.3.1 仕事によるストレス水準
コラム2.4 日本の現状確認4:日本における教員の仕事によるストレス水準
2.3.2 仕事によるストレスの背景要因
コラム2.5 日本の現状確認5:日本における教員・校長の仕事によるストレスの背景要因
2.4 教員・校長の在職・離職意識
2.4.1 教員・校長の教職にとどまる意向
2.4.2 教員の教職を離れる意向
コラム2.6 日本の現状確認6:日本における教員の離職志向
第3章 教員・校長の雇用条件と教員評価
要旨
3.0 はじめに
3.1 教員の身分の安定及び勤務時間の柔軟性
3.1.1 有期雇用契約の教員
3.1.2 短時間(非常勤)勤務の教員と校長
3.1.3 複数校で勤務する教員
3.1.4 身分の安定性及び柔軟な勤務時間と教員の自己効力感及び職場でのウェルビーイングの関連
3.2 公的な教員評価
3.2.1 教員評価の頻度と評価主体
3.2.2 教員評価の方法
3.2.3 教員評価の結果の使われ方
3.3 給与及び他の雇用条件に対する教員と校長の満足度
3.3.1 教員と校長の給与に対する満足度
3.3.2 教員と校長の給与以外の雇用条件に対する満足度
3.3.3 給与及び雇用条件に対する教員の満足度と教員の転退職との関係
第4章 専門性を高めるための連携推進
要旨
4.0 はじめに
4.1 教員はどのように連携するのか
4.1.1 教員の協働的な活動
4.1.2 チーム・ティーチング
4.1.3 学校の雰囲気
4.2 教員はどうフィードバックを活用しているのか
4.2.1 フィードバックの供給源
4.2.2 フィードバックの影響
第5章 教員・スクールリーダーへの権限付与
要旨
5.1 学校における意思決定の拡充
5.1.1 学校の自律性
5.1.2 教職員、保護者、生徒の学校における意思決定への参加
5.1.3 学校運営チームの構成
5.2 校長のリーダーシップ
5.2.1 学校における校長の責任
5.2.2 校長のリーダーシップ
5.2.3 教育的リーダーシップと分散型リーダーシップ
5.2.4 教育的リーダーシップに影響を及ぼす要因
5.2.5 校長のシステムリーダーシップ
5.2.6 校長と国・地方自治体との関係
5.3 教員リーダーシップ
5.3.1 学校における教員の責任
5.3.2 教員が感じる主導権
5.3.3 教員が感じる主導権と学校における革新的雰囲気及び協働的雰囲気
5.3.4 優秀な学業成績の達成に向けた教員の行動
5.3.5 教員とメディア及び政策立案者との関係
資料
資料1 教員質問紙(中学校)
資料2 校長質問紙(中学校)
前書きなど
はじめに
OECD(経済協力開発機構)国際教員指導環境調査(TALIS〈タリス〉:Teaching and Learning International Survey)は、教員及び校長への質問紙調査を通じて、教員及び校長の勤務環境、学校での指導状況などについてデータを収集する国際調査で、2008年に第1回、2013年に第2回、2018年に第3回調査が実施されました。主に中学校などの前期中等教育の教員及び校長を対象に、国際比較可能なデータを収集し、教育に関する分析や教育施策の検討に資することを目的としています。2018年に実施されたTALIS 2018において、日本は初めて小学校などの初等教育の調査にも参加しました。
TALIS 2018には、日本を含む48か国・地域が参加し、OECDより2019年6月のVolume Ⅰと2020年3月のVolume Ⅱの2回に分けて調査結果が公表されました。本書は、2020年3月にOECDより公表されたVolume Ⅱの結果を基に、日本にとって特に示唆のある内容・データを中心に整理・分析したものです。今回のVolume Ⅱでは、教員の満足度とストレス、教員評価、教員同士の連携、スクールリーダーシップ等に焦点を当てています。このたび、本報告書を日本語で刊行し、日本の多くの方々に調査結果を提供できることは大きな喜びです。
日本では、2013年の第2回調査より、国立教育政策研究所がTALISの実施責任機関となり、文部科学省本省と密接に連携、協力しながら、調査の準備、実施及び分析に当たってきました。TALIS 2018においては、2018年2月から3月にかけて、全国の中学校、中等教育学校前期課程及び義務教育学校後期課程の中から196校、約3,800人の教員及び校長の方々に、また全国の小学校及び義務教育学校前期課程の中から197校、約3,600人の教員及び校長の方々に参加いただき、国際的な基準を満たすデータを収集することができました。調査の実施にあたっては、各校の担当者の方々に、教員名簿の提出や質問紙の配付・回収等に御協力をいただいたほか、都道府県・指定都市教育委員会には各校への依頼等の御協力をいただきました。調査の実施に参加・協力いただいた全ての関係者の皆様にこの場をお借りして心より感謝申し上げます。
(…後略…)