前書きなど
芝園団地やほかの外国人集住地域に関する報道や研究は少なくない。本書に独自性があるとすれば、外国人住民が増えた地域で暮らす日本人の「感情」に焦点を当て、掘り下げようと試みたことにあると思う。
外国人に対する不安や不満といった住民感情は、否定するだけでその人たちの心から消えていくものではない。向き合い、そうした感情を生み出す根源を探る。そのことに意味があるはずだという思いは、この団地に住む中で、そして世界でますます反外国人・移民感情が広がる中で強まっていった。(「あとがき」より)
日本人と外国人が同じ場所で暮らすとき、何が起きるのか。
住民には、どのような感情が生まれるのか。
そこで起きること、芽生える感情に対して、どうすればいいのか。
これは、そんなことを問いかけながら芝園団地で暮らす、一人の住民の記録だ。