目次
序文:アンガス・マディソンの志を継いで
まえがき
謝辞
利用にあたって
概要
第1章 1820年以降の世界の幸福度
はじめに
第1節 本研究の目的
第2節 本書で取り上げる指標
第3節 データの質
第4節 調査対象国に関する実際的な問題
第5節 1820年以降の各指標の変化
第2章 1820年以降の人口学的変化
はじめに
第1節 データの質
第2節 1820年以降の世界人口の変化
第3節 人口学的転換
第4節 人口学的変化の影響
第5節 今後の研究の重点事項
第3章 1820年以降の1人当たりGDPの変化
はじめに
第1節 本章で用いる概念
第2節 歴史的データをどこから得るか
第3節 データの質
第4節 1820年以降のGDPの変化
第5節 今後の研究の重点事項
第4章 1820年以降の実質賃金の変化
はじめに
第1節 本章で用いる概念
第2節 歴史的データをどこから得るか
第3節 データの質
第4節 1820年以降の賃金の変化
第5節 1人当たりGDPとの相関
第6節 今後の研究の重点事項
第5章 1820年以降の教育の変化
はじめに
第1節 本章で用いる概念
第2節 歴史的データをどこから得るか
第3節 データの質
第4節 1820年以降の教育の変化
第5節 1人当たりGDPとの相関
第6節 今後の研究の重点事項
第6章 1820年以降の平均余命
はじめに
第1節 本章で用いる概念
第2節 歴史的データをどこから得るか
第3節 データの質
第4節 1820年以降の平均余命の変化
第5節 1人当たりGDPとの相関
第6節 今後の研究の重点事項
第7章 1820年以降の身長
はじめに
第1節 本章で用いる概念
第2節 歴史的データをどこから得るか
第3節 データの質
第4節 1820年以降の身長の変化
第5節 1人当たりGDPとの相関
第6節 今後の研究の重点事項
第8章 1820年以降の生活の安全
はじめに
第1節 本章で用いる概念
第2節 歴史的データをどこから得るか
第3節 データの質
第4節 1820年以降の生活の安全の変化
第5節 1人当たりGDPとの相関
第6節 今後の研究の重点事項
第9章 1820年以降の政治制度
はじめに
第1節 本章で用いる概念
第2節 歴史的データをどこから得るか
第3節 データの質
第4節 1820年以降の政治制度の変化
第5節 1人当たりGDPとの相関
第6節 今後の研究の重点事項
第10章 1820年以降の環境の質
はじめに
第1節 本章で用いる概念
第2節 歴史的データをどこから得るか
第3節 データの質
第4節 1820年以降の環境の質の変化
第5節 1人当たりGDPとの相関
第6節 今後の研究の重点事項
第11章 1820年以降の所得格差
はじめに
第1節 本章で用いる概念
第2節 歴史的データをどこから得るか
第3節 データの質
第4節 1820年以降の所得格差の変化
第5節 1人当たりGDPとの相関
第6節 今後の研究の重点事項
第12章 1820年以降の男女格差の変化
はじめに
第1節 本章で用いる概念
第2節 歴史的データをどこから得るか
第3節 データの質
第4節 1820年以降の男女格差の変化
第5節 1人当たりGDPとの相関
第6節 今後の研究の重点事項
第13章 1820年以降の幸福の複合的視点
はじめに
第1節 本章で用いる概念
第2節 1820年以降の幸福度複合指標の変化
第3節 今後の研究の重点事項
図・表の一覧
――第1章 1820年以降の世界の幸福度
図1.11 人当たりGDPと幸福度指標の相関の推移(1820~2000年)
表1.1 本書及び「OECDより良い暮らしイニシアチブ」が対象とする幸福の諸側面
――第2章 1820年以降の人口学的変化
図2.1 地域別にみた総人口(1820~2000年)
図2.2 地域別にみた人口増加(1820年代~2000年代)
図2.3 出生時平均余命と合計特殊出生率の地域別平均(1900~2000年)
表2.1 地域別及び基準年別にみた人口データの質(1820~2008年)
表2.2 地域別及び基準年別にみた出生率データの質(1820~2008年)
表2.3 地域別にみた総人口(1820~2010年)
表2.4 国別にみた総人口(1820~2010年)
表2.5 地域別にみた人口増加(1820年代~2000年代)
――第3章 1820年以降の1人当たりGDPの変化
図3.1 1人当たりGDPの地域平均(1820~2010年)
図3.2 国別にみた製造業の就業者比率(1870~2005年)
図3.3 国別にみたGDPに占める総消費の割合(1950~2010年)
表3.1 地域別及び基準年別にみたGDPデータの質(1820~2000年)
表3.2 1人当たりGDPの地域別平均(1820年代~2010年代)
表3.3 GDPデータセットの地域別及び基準年別対象国数(1820~2010年)
表3.4 国別にみた1人当たりGDP(1820年代~2010年代)
――第4章 1820年以降の実質賃金の変化
図4.1 地域別にみた建設業の労働者の実質賃金(1820年代~2000年代)
図4.2 建設業の労働者の実質賃金と1人当たりGDPとの相関(1820年代~2000年代)
表4.1 一部の国や地域における生活必需品バスケットの内容
表4.2 地域別及び基準年別にみた物価と賃金のデータの質(1820~2008年)
表4.3 非熟練労働者及び職人の実質賃金と技能による賃金増分(1930年代~2000年代)
表4.4 地域別にみた建設業の労働者の実質賃金(1820年代~2000年代)
表4.5 地域別にみた建設業の職人の実質賃金(1920年代~2000年代)
表4.6 国別にみた建設業の労働者の実質賃金(1820年代~2000年代)
――第5章 1820年以降の教育の変化
図5.1 識字率と基礎教育以上の教育を受けた人の割合(1820~2010年)
図5.2 平均教育年数と1人当たりGDPとの相関(1870~2010年)
表5.1 アメリカにおける教育年数別の識字率(1947年)
表5.2 地域別及び基準年別にみた教育年数のデータの質(1820~2008年)
表5.3 基礎教育以上の教育を受けた人の割合(1870~2010年)
表5.4 地域別にみた平均教育年数(1850~2010年)
表5.5 国別にみた平均教育年数(1820~2000年)
――第6章 1820年以降の平均余命
図6.1 出生時平均余命の地域別平均(1820年代~2000年代)
図6.2 地域別にみた乳児死亡率と出生時平均余命(1820~2000年)
図6.3 出生時平均余命と1人当たりGDPとの相関(1820年代~2000年代)
表6.1 地域別及び基準年別にみた出生時平均余命に関するデータの質(1820~2000年)
表6.2 出生時平均余命の地域別平均(1820年代~2000年代)
表6.3 国別にみた出生時平均余命(1820年代~2000年代)
――第7章 1820年以降の身長
図7.1 身長の地域別平均(1820年代~1980年代)
図7.2 平均身長と1人当たりGDPとの関係
図7.3 身長と1人当たりGDPとの相関(1820年代~1980年代)
図7.4 身長と1人当たりGDPの国によるばらつき(1810年代~2000年代)
表7.1 地域別及び基準年別にみた平均身長のデータの質(1820~1973年)
表7.2 身長の地域別平均(1820年代~1980年代)
表7.3 国別にみた平均身長(1820年代~1980年代)
――第8章 1820年以降の生活の安全
図8.1 欧米諸国の殺人発生率(1950~2010年)
図8.2 地図でみた世界の殺人発生率(2000~2009年)
図8.3 武力紛争に関わった国に住む確率(1820~2000年)
図8.4 殺人発生率と1人当たりGDPとの相関(1820年代~2000年代)
表8.1 生活の安全の指標
表8.2 地域別及び基準年別にみた殺人発生率データの質(1820~2008年)
表8.3 ヨーロッパにおける殺人発生率の長期的推移(13世紀~20世紀)
表8.4 殺人発生率の地域別平均(1820年代~2000年代)
表8.5 地域別及び年代別の殺人発生率データが得られた国の数(1820年代~2000年代)
表8.6 国別にみた殺人発生率(1820年代~2000年代)
表8.7 国内紛争や対外紛争に関わった国の数(1820年代~1990年代)
表8.8 地域別にみた国内紛争の起こった国に住む確率(1820年代~1990年代)
表8.9 地域別にみた対外紛争に関わった国に住む確率(1820年代~1990年代)
――第9章 1820年以降の政治制度
図9.1 世界全体の民主主義指標及びポリティー2指標の変化(1820~2000年)
図9.2 民主主義指標の政治参加と政治的競争の指数の変化(1820~2000年)
図9.3 ポリティー2指標と1人当たりGDPとの相関(1820年代~2000年代)
図9.4 民主主義指標と1人当たりGDPとの相関(1820年代~2000年代)
表9.1 民主主義の指標:ポリティー2指標と民主主義指標
表9.2 民主主義に関する指標のデータの質
表9.3 国別にみたポリティー2指標(1820年代~2000年代)
表9.4 国別にみた民主主義指標のスコア(1820年代~1990年代)
表9.5 ポリティー2指標の地域別平均(1820年代~2000年代)
表9.6 民主主義指標スコアの地域別平均(1820年代~2000年代)
表9.7 民主主義指標の政治参加スコアの地域別平均(1820年代~2000年代)
表9.8 民主主義指標の政治的競争スコアの地域別平均(1820年代~2000年代)
――第10章 1820年以降の環境の質
図10.1 地域別にみた二酸化硫黄総排出量(1820~2000年)
図10.2 地域別にみた耕作地及び牧草地の総面積(1820~2000年)
図10.3 地域別にみた二酸化硫黄総排出量(1820~2000年)
図10.4 1人当たり二酸化硫黄排出量と1人当たりGDPとの相関(1820~2000年)
図10.5 生物多様性(MSA)と1人当たりGDPとの相関(1820~2000年)
図10.6 1人当たり二酸化炭素排出量と1人当たりGDPとの相関(1820~2000年)
表10.1 本章で取り上げる環境問題の概要
表10.2 地域別及び基準年別にみた二酸化硫黄排出量及び二酸化炭素排出量のデータの質(1820~2000年)
表10.3 地域別及び基準年別にみた生物多様性指標に関するデータの質(1820~2000年)
表10.4 地域別にみた1人当たり二酸化硫黄排出量(1820~2000年)
表10.5 国別にみた1人当たり二酸化硫黄排出量(1820~2000年)
表10.6 地域別にみた平均生物種豊富度(MSA)(1820~2000年)
表10.7 国別にみた平均生物種豊富度(MSA)(1820~2000年)
表10.8 地域別にみた1人当たり二酸化炭素排出量(1820~2000年)
表10.9 国別にみた1人当たり二酸化炭素排出量(1820~2000年)
――第11章 1820年以降の所得格差
図11.1 世界全体の所得分布(1820~2000年)
図11.2 3つの時期別にみたジニ係数と1人当たりGDPとの相関(1820~2000年)
図11.3 ジニ係数と1人当たりGDPとの相関(1820~2000年)
表11.1 情報源別及び基準年別にみた所得格差の推定値(1820~2000年)
表11.2 地域別及び基準年別にみた所得格差に関するデータの質(1820~2000年)
表11.3 国別にみた所得不平等度(1820~2000年)
表11.4 各国内及び各国間の不平等度を示すジニ係数(1820~2000年)
表11.5 所得不平等度の地域別平均(1820~2000年)
――第12章 1820年以降の男女格差の変化
図12.1 男女の出生時平均余命、平均結婚年齢、平均教育年数(20世紀)
図12.2 地図でみた相続権の男女平等(1920年、1980年、2000年)
図12.3 地図でみた女性の選挙権(1913年、1950年、2000年)
図12.4 女性に選挙権のある国の数(1895~2000年)
図12.5 地域別にみた女性の出生時平均余命の対男性比(1900年代~2000年代)
図12.6 地域別にみた女性の0~5歳人口の対男性比(1900年代~2000年代)
図12.7 地域別にみた女性の結婚年齢の対男性比(1900年代~2000年代)
図12.8 地域別にみた女性の平均教育年数の対男性比(1950年代~2000年代)
図12.9 地域別にみた女性の国会議員数の対男性比(1900年代~2000年代)
図12.10 地域別にみた男女平等複合指数(1950年代~2000年代)
図12.11 男女平等指標と1人当たりGDPとの相関(1900年代~2000年代)
図12.12 男女格差の各指標と1人当たりGDPとの関係(1900年代~2000年代)
表12.1 男女平等指標の対象と基本統計量
表12.2 地域別及び基準年別にみた子どもの男女差、議員比率の男女差、結婚年齢の男女差の各データの質(1820~2008年)
表12.3 出生時平均余命の男女別の延び(1950~2000年)
――第13章 1820年以降の幸福の複合的視点
図13.1 幸福度指標と1人当たりGDPとの相関(1820年代~2000年代)
図13.2 幸福度複合指標の地域別平均(1820年代~2000年代)
図13.3 幸福度複合指標の地域別平均と標準化した1人当たりGDP(1820年代~2000年代)
図13.4 潜在変数モデルによる地域別の幸福度複合指標(1820年代~2000年代)
図13.5 イギリス・中国・インドの幸福度複合指標と1人当たりGDP(1820年代~2000年代)
図13.6 各国の幸福度複合指標(1850年、1900年、2000年)
図13.7 幸福度複合指標と1人当たりGDPとの関係(1人当たりGDPの規模別)
表13.1 幸福度指標の対象と要約統計量
表13.2 幸福度複合指標の因子負荷量
前書きなど
幸福の世界経済史――1820年以降、私たちの暮らしと社会はどのような進歩を遂げてきたのか
1820年の人々の暮らしはどのようなものだったのか、また、人々の暮らしはその後どのように向上したのだろうか。長期的に世界の幸福をみた場合、そこにはどのような傾向があるのだろうか。産業革命以降の社会経済的な変化に対する見方は、その多くが、サイモン・クズネッツやアンガス・マディソンの手法に沿った歴史的国民経済計算に基づいている。だが、1人当たり実質GDPは、幸福のその他の側面、たとえば、平均余命、教育、治安、男女格差などを十分にとらえきれない可能性がある。GDP以外の指標で評価した場合、経済成長だけからみたものより、平等度が高い世界像が描かれることが多いが、それはすべての場合にあてはまるのだろうか。本書はこのあたりの疑問に答えることを目指しており、世界の25の主要国と8つの地域について、1820年以降の幸福の長期的変化の体系的な証拠を初めて提供するものである。また、本書はそうしたデータを示すだけではなく、データの基礎となる資料やその問題点について検討し、各国の平均値と各国間格差に注目し、今後の研究の方向性を示唆することも行っている。
本書は、OECDとクリオインフラ・プロジェクト(Clio-Infra project)の協力の賜物であり、経済史研究者のグループが、この分野の最新の研究成果を駆使して、世界の幸福の諸側面と不平等度の長期的な変化を体系的に明らかにしようとした研究の成果である。ここで検討を加えている歴史的証拠は、およそ10個のテーマ別に構成されている。それらのテーマは、OECD自身の幸福に関する報告書『OECD幸福度白書(How's Life)』で取り上げられたものに倣っており、また、この分野の歴史的視野を得るのに現在利用可能な、最良の資料や専門的情報を踏まえている。
本書『幸福の世界経済史:1820年以降、私たちの暮らしと社会はどのような進歩を遂げてきたのか(How Was Life? Global Well-being since 1820)』は、OECDが2011年の創立50周年の際に着手した「OECDより良い暮らしイニシアチブ(Better Life Initiative)」の一環として出版されたものである。「より良い暮らしイニシアチブ」は、OECDの最も重要な使命に沿う「より良い暮らしのためのより良い政策」の促進を目指すものである。この活動の他の柱の1つには、「より良い暮らしインデックス(Better Life Index)」(www.oecdbetterlifeindex.org)もある。社会進歩に関する議論への市民の参加を促そうという、幸福の複合指数の双方向ウェブサイトである。