目次
特集:岐路に立つ難民保護
特集の趣旨[人見泰弘:編集委員]
難民と国内避難民をめぐるダイナミズム──国際公共財の観点から[滝澤三郎:東洋英和女学院大学大学院教授]
国際人権法の観点から見た日本の難民保護制度の現状と課題[山本哲史:モンゴル国立大学法学部内・名古屋大学日本法教育センター特任講師]
オーストラリアの難民定住支援施策における新自由主義の影響に関する一考察[森谷康文:北海道教育大学准教授]
難民条約上の「特定の社会的集団の構成員」という概念の国際法上の解釈[橋本直子:英国ロンドン大学高等研究院難民法イニシアチブ・博士アフィリエイト]
投稿論文
現代日本における中国出身留学生の将来設計に関する一考察[馬文甜:筑波大学大学院博士後期課程]
フィリピンにルーツを持つ子どもの大学・短期大学への進学理由――日本で高等学校を卒業した人たちの事例から[矢元貴美:大阪大学グローバルコラボレーションセンター招聘研究員]
国際移動する母親のジェンダー規範をめぐる経験――グアムの日本人コミュニティを事例に[芝野淳一:大阪成蹊大学専任講師]
アフリカからアジアへ移動する「新興」の交易ディアスポラ――広州・ドバイにおけるムリッド商人の活動事例から[榎並ゆかり:同志社大学大学院博士後期課程]
科学技術分野における高度人材の集団的国際移動に関する社会学的考察――アメリカへ移動するインド人IT技術者集団の事例をもとに[松下奈美子:名古屋産業大学専任講師]
投資家移民プログラムの是非について――裕福な外国人の優遇措置は正当化しうるか[宮井健志:北海道大学大学院博士後期課程]
報告
“違いの尊重”について考える――在日コリアン三世の個人的経験から[金朋央:NPO法人コリアNGOセンター]
2015年人種差別撤廃施策推進法案審議の背景と過程――日本における「人種差別に対する法的対処の不在」とその変化[明戸隆浩:関東学院大学ほか非常勤講師]
日本における医療通訳システムの進展と課題[FREW G. Abuloph Nicolas:駒澤大学非常勤講師,医療通訳者/西村明夫:多文化医療サービス研究会(RASC)代表]
特別寄稿論文
Spatial Mobility of Highly Educated Migrants from BRIC Countries [KOMAI Hiroshi:University of Tsukuba]
書評
ジェームス・C・ハサウェイ 著/佐藤安信・山本哲史 訳『難民の権利』[鈴木雅子]
上林千恵子 著『外国人労働者受け入れと日本社会――技能実習制度の展開とジレンマ』[倉田良樹]
谷富夫 著『民族関係の都市社会学――大阪猪飼野のフィールドワーク』[渡戸一郎]
昔農英明 著『「移民国家ドイツ」の難民庇護政策』[久保山亮]
濱野健 著『日本人女性の国際結婚と海外移住――多文化社会オーストラリアの変容する日系コミュニティ』[賽漢卓娜]
佐藤成基 著『国家の社会学』[佐々木てる]
文献紹介
2014年度春季大会/2015年度年次大会/2015年度冬季大会
『移民政策研究』編集規定/『移民政策研究』執筆要項/論文投稿規定/投稿論文査読規定
Editorial Provisions: Migration Policy Review/ Writing Guidelines for Authors: Migration Policy Review/ Provisions for the Submission of Articles/ Provisions for the Refereeing of Articles
前書きなど
〈編集後記〉
『移民政策研究』第8号をお届けします。4年間,本誌の編集委員長を務められた駒井洋さんが2015年5月,学会長に選出され,代わって小生が今年度から2年間,編集委員長を仰せつかりました。編集委員も10人のうち4人が交代となり,佐々木副委員長共々,新たな気持で本誌の充実をさらに目指していきたいと思います。
さて近年,難民問題が世界的に大きくクローズアップされていますが,本号では独自企画として「特集:岐路に立つ難民保護」(担当:人見編集委員)を組み,4本の論考を掲載しました。このうち巻頭の滝澤三郎会員の論考は2015年度年次大会の特別講演に基づくものです。
投稿論文は,8本のうち査読を経て6本が掲載となりました。また,報告は3人にお願いし,書評は6冊を取り上げました。これまでと同様,文献紹介も広く会員から投稿していただきました。なお,特別寄稿論文には駒井会長自ら英語論文を寄稿していただきました。
(…後略…)