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学力政策の比較社会学【国内編】―全国学力テストは都道府県に何をもたらしたか―

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詳しい情報
読み: ガクリョク セイサク ノ ヒカク シャカイガク
出版社: 明石書店
単行本: 280 ページ
ISBN-10: 4750335533  ISBN-13: 9784750335537  [この本のウィジェットを作る]
NDC(9) : 373.1

紹介

2007年、全国学力テストが四十数年ぶりに再開された。それはどう実行され、各自治体にいかなる効果・インパクトを与えているのか、全国および9つの府県への継続的な現地調査の結果から検証。日本の教育の今を「公正」「卓越性」の二つのキーワードで読み解く。

目次

はしがき

序章 日本の学力問題のいま
 1.「学力新時代」の幕開け
 2.全国学力テストの特徴とそのインパクト
 3.子どもたちの学力をめぐる状況
 4.本研究プロジェクトの概要
 5.本書の内容構成

第1章 全国学力テストが都道府県にもたらしたもの
 1.問題の設定
 2.都道府県別にみた全国学力テスト結果の歴史的変化
 3.調査対象自治体の選定
 4.各グループの特徴
 5.考察――全国学力テストは都道府県に何をもたらしたのか

第2章 学力と社会関係資本――「つながり格差」について
 1.問題の設定
 2.「つながり格差」――都道府県別学力格差の構造
 3.個人財としての社会関係資本と学力
 4.地域の社会関係と学力
 5.まとめ

第3章 【大阪府】「公正」重視から「卓越性」重視へ
 1.はじめに
 2.大阪府の教育の概要
 3.学力政策の転換
 4.市町村と学校の対応
 5.政治主導、分権と統制、「卓越性」の追求
 6.「公正」重視の施策の行方
 7.おわりに

第4章 【高知県】全国学力テストによる教育改善は成功するか?
 1.はじめに
 2.調査地の概要
 3.全国学力テスト実施後の高知県の教育政策7
 4.まとめ

第5章 【沖縄県】学力不振からの脱出をめざして
 1.はじめに
 2.全国学力テスト結果のインパクト――学力向上への取り組み
 3.低学力の背景にあるもの――「二重の階層性」
 4.調査からみえてきた沖縄県教育の特徴
 5.学力向上の可能性
 6.おわりに――学力は向上すべきなのか

第6章 【神奈川県】分権化時代の学力政策――地域拠点形成の取り組みから
 1.はじめに
 2.神奈川県における学力問題の位置づけ
 3.学びの拠点づくりの取り組み
 4.パイロットケースの挑戦――地域の教育課題を県の施策に結びつける
 5.他地域の取り組み――生活実態把握を重視する大和市、小中連携に取り組む平塚市
 6.拠点づくり方式の強みと課題
 7.分権化時代の学力向上策に関する考察
 8.おわりに

第7章 【兵庫県】多様性に満ちた県の学力向上方策
 1.はじめに
 2.県の教育の概要
 3.「兵庫型」教育施策の特徴
 4.兵庫県の学力向上方策
 5.地方教育委員会における教育の公正と卓越性
 6.まとめ

第8章 【宮崎県】「当たり前」のことを「当たり前」に行う
 1.はじめに
 2.県と県の教育の概要
 3.学力政策の変遷と現状
 4.教育施策における「公正性」と「卓越性」
 5.学校現場における学力向上の取り組み
 6.学校レベルの「公正性」と「卓越性」
 7.全国学力テスト・学力向上の流れは何をもたらしたか
 8.おわりに――「当たり前」のことを「当たり前」に行うことの力

第9章 【秋田県】学力日本一の秘密――フィンランドとの対比から
 1.はじめに――「学力日本一」へ
 2.「トルストイ仮説」――上位県に共通する特徴204
 3.好成績に寄与しているその他の要因
 4.フィンランドとの比較
 5.公正と卓越性の視点からみる秋田の教育
 6.秋田の教育の課題
 7.おわりに

第10章 【福井県】子どもたちへと「つながる力」――学力を支える地域、育む家庭、伸ばす学校
 1.はじめに――「教育県」としての自負とその背景
 2.県の概要――県独自の教育施策とその特徴を中心に
 3.地域の概要――地域の特徴と教育行政の取り組みを中心に
 4.子どもたちを取り巻く「つながる力」
 5.「公正」を支える地域と家庭、「卓越性」を生み出す学校
 6.おわりに――これからの課題

第11章 【香川県】公正をめざす教育政策が引き出す卓越性――勤勉な教師文化が支える学力
 1.はじめに
 2.公正を基盤とした教育行政
 3.方向性を共有した教育行政と学校の関係
 4.学校レベルにおける公正と卓越性
 5.公正を追求することで引き出される勤勉な教師文化

終章 府県比較からみえてくること
 1.はじめに
 2.全国学力テスト以降の動き――卓越性重視へ
 3.公正原理の位置づけ――自治体による多様性
 4.統治(ガバナンス)手法の変化――府県教委・市町村教委の関係と首長の関与
 5.まとめ

 あとがき
 編著者略歴
 執筆者略歴

前書きなど

はしがき

 (…前略…)

 最後に、本書の成り立ちと内容を述べておきたい。本書のベースとなった共同研究プロジェクト(「学力向上策の比較社会学的研究―公正と卓越性の確保の視点から」)は、日本国内9府県と海外8カ国の学力政策を「公正(equity)」と「卓越性(excellence)」という観点から社会学的な方法で比較・分析するものであった。そのうち日本国内の調査研究の成果をまとめたのが、本書である。共同研究は2008年度から2010年度にかけて行われた。これはちょうど日本の教育改革が学力重視の姿勢を鮮明に打ち出した時期と重なっている。「全国学力・学習状況調査」の開始は、学力重視の教育改革を象徴する出来事であった。
 本書の構成は以下の通りである。序章では、共同研究プロジェクトの代表者である志水が、近年の学力状況と学力政策の動向をまとめ、本研究の意義、目的、経緯を述べている。続く第1章と第2章は本研究の総論にあたる。第1章では全国学力テストが各自治体の学力政策に及ぼした影響をマクロな視点から考察し、第2章では社会関係資本(ソーシャル・キャピタル)概念を手かがりにして、学力格差の要因および格差を縮小させる取り組みの可能性を検討している。第3章から第11章は9府県(大阪、高知、沖縄、神奈川、兵庫、宮崎、秋田、福井、香川)の現地調査の報告である。各章では、教育委員会での聞き取り調査や学校でのフィールドワークによって、全国学力テストが各地の学力政策に与えた影響と各地の学力政策の特色を描き出している。終章では、全国学力テスト開始以降、各府県の学力政策がどのように変化したかを概括し、学力政策に対する本研究の示唆と今後の研究課題を述べている。

 教育改革をめぐる議論に必要なのは、憶測や臆見ではない。事実と証拠である。それらを読者に提供できれば、編者として嬉しく思う。
 
 2011年12月   高田一宏
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