目次
ローカルレポート札幌・新潟・静岡・名古屋・大阪・福山・大分・熊本
○特集1 震災復興とホームレス支援団体
東日本大震災と住まいの確保(塩崎賢明)
東日本大震災を体験した自立支援センター(五百澤洋太)
初期の支援活動――物資の届かない所を重点に(◆島一匡[◆=草冠に配])
千葉で支援のネットワークを構築(副田一朗)
被災地へ感謝の気持ちをリサイクル自転車に乗せて(楮本吉章)
仙台市における震災後の路上生活者支援と被災者支援の実践――NPO法人仙台夜まわりグループの事例から(新田貴之)
東日本大震災復興支援の中で感じた問題(川浪剛)
人のために支援できることをうれしいと感じた。――─東日本大震災を乗り越える生き方にむかって(弦弓高明)
阪神・淡路大震災孤独死の教訓を生かして(道又賢一)
インタビュー・湯浅誠さんに聞く 震災復興支援策をどう作り上げるか(聞き手:菅野拓)
仙台市の応急仮設住宅入居者への伴走型サポートの始動――パーソナルサポートセンター:安心見守り協働事業(菅野拓)
○特集2 ホームレス自立支援法の10年とこれから
ホームレス自立支援法の10年とこれからの課題(沖野充彦)
脱ホームレス支援から学ぶ日本型「社会住宅」の現状とその可能性――ポストホームレス自立支援法と住宅のナショナルミニマム(水内俊雄)
「広義のホームレスの可視化と支援策に関する調査」の概要(水内俊雄/垣田裕介)
韓国ホームレス福祉法の制定と包括的な支援システムの整備――制定背景と主要内容(全泓奎)
○研究
・国内
「社会的包摂システムに係る調査」を通して見るホームレスと生活保護制度(遠藤康裕)
・海外
昨日の流浪、今日の漂泊、明日の安定――台北市の遊民たちの横顔(楊運生)
○援助技術
ホームレス支援におけるソーシャルワーク再考(藤田孝典)
京都市における「生活と健康を守る会」の活動と「援助技術」(中嶋陽子)
・エッセー
中学校の釜ヶ崎への研修旅行(生田武志)
互助機能をどうつくるか─「ふるさとの会」の相談室の試み(4)(佐藤幹夫)
・書評
この人が選ぶこの一冊(小池隆生/五石敬路/大崎元)
ニュースクリップ(安江鈴子)
ホームレス問題に関する書籍情報
読者の声
執筆者一覧・編集後記
前書きなど
■編集後記
脱ホームレス支援がハウスレス支援に大きく役立ったことが実感される特集1となった。しかし今後の課題はいずれもずっしり肩にのしかかっていることも、特集2とあわせて理解していただければ幸いである。(編集長・水内俊雄)
大阪市に隣接した尼崎市における「ホームレス」調査に2003年以降かかわっている。2012年も概数調査と生活実態調査を行う予定である。どのように変容してきたのか、整理する必要性を感じている。(中山徹)
原発は過疎の町村に安全安心神話の傘の下、「豊かさ」をもたらし、そして脆くも崩れ去った。「フクシマ」は生命を蝕む地と化し、人々の家族、住居、雇用、教育などの生活のすべてを奪い去った。心の拠り所でもある地域コミュニティの喪失が、ホームレスを生みださないことを祈る。(下村幸仁)
最低賃金は政権交代後、約100円も引き上がり、大卒でさえ60%という低い内定率の中、就労困難層に求人が出るのだろうか。最低賃金はむしろ下げ、民主党がマニフェストで掲げた「給付付き税額控除」によって国からの時給の上乗せを行う方が現実的な自立支援になるのでは。(鈴木亘)
昨年成立した韓国の「ホームレス福祉法」が今年施行されます。台湾もホームレス支援関連立法推進の動きがあり、日本も今年は大きな転換を迎える時期になるでしょう。東アジアにおけるホームレス支援関連の施策の動向について引き続き関心が必要です。(全泓奎)
昨年は東日本大震災の被災地を、宮城、岩手、福島と訪ねてきました。テレビであれほど映像を見たにもかかわらず、実際に現地に立ってみると、あたかも初めて見たような衝撃を受けました。あらためて現場の重みを実感したとともに、命のはかなさと大切さを痛感しました。(垣田裕介)
「自死対策には、制度も人も必要だ」とライフリンクの清水代表が言っておられます。家を失う生活困窮の方にも同様のことが言えます。ホームレス状態に陥る方は増加しており、もっと深く広く、その背景や対策について考えていきたいと思います。(安江鈴子)
貧困研究会の研究大会が岩手で開かれ、被災地視察として釜石周辺を訪ねる機会を得ました。元祖工場オタク(?)として何度か訪れた地の変貌ぶりに言葉を失いましたが、やはり私たちは言葉を発信していくことが使命であると思い直す昨今です。(明石書店・神野)
今号からお手伝いすることになりました。よろしくお願い致します。(明石書店・手嶋)