目次
日本語版序文
はじめに
第1章 グローバリゼーションの動態
人口が増加する地球
移動する人々
地球規模の環境問題
世界的な格差――豊かさと貧しさ
グローバル経済に向けて
新興グローバル経済の力
第2章 新しい社会的課題
変化する年齢構成
変わりつつある社会支出の傾向
広がる不平等
持続する貧困
コミュニティ参加の新しい形
より満足な人生
第3章 変化する仕事の世界
ライフサイクル・パターンの変化
労働市場はさらに弾力化しているか?
知識集約型経済
高等教育の大衆化と国際化
労働市場における女性
第4章 子ども時代の変容
いっそう多様な家族形態を生きる
小さくなる家族、高齢化する親
子どもの健康
ライフチャンスの中で子どもが受け継ぐもの
子どもに増す期待
第5章 ICT:次の世代
ユニバーサルアクセスに向けて
どこで生徒たちはコンピュータを使うのか?
広がりゆくWWW(ワールドワイドウェブ)
オンライン上の社会参加の急速な成長
ポケットに入る世界
『教育のトレンド2』の活用のために――監訳者あとがき
付録資料1『教育のトレンド2』演習問題
付録資料2日本語版参考文献――学習を続けるために
図
図1.1 OECD諸国での人口停滞と他地域での人口増加
図1.2 都市環境で暮らす人々の増加
図1.3 増加し収束する移動の割合
図1.4 「外国生まれ」人口の増加
図1.5 増加する電力生産と消費量
図1.6 増加する二酸化炭素排出量
図1.7 裕福な地域と貧しい地域との格差の拡大
図1.8 低下しつつも格差の大きい子どもの死亡率
図1.9 ますます進む経済のグローバル化
図1.10 世界的に投資をおこなうリーディングエコノミー
図1.11 中国とインドの台頭
図1.12 経済拡大の30年推移
図2.1 人口構成は「ピラミッド型」から不安定な「釣鐘型」へ
図2.2 老年人口指数は2050年までに倍増する
図2.3 保健医療支出の上昇
図2.4 教育費:明確なトレンドなし
図2.5 所得格差は広がる傾向にある
図2.6 所得格差は拡大している
図2.7 増加する相対的貧困
図2.8 減少する絶対的貧困
図2.9 ボランティア組織の会員数の変化
図2.10 増加するオンラインコミュニティへの参加
図2.11 高い生活満足度
図2.12 低下する自殺率
図3.1 減少する男性の就労年数
図3.2 増加する女性の就労年数
図3.3 10年以上同じ職に就いている人は穏やかに減少
図3.4 パートタイム労働のトレンドの開き
図3.5 研究開発への投資が増加している
図3.6 研究開発分野で働いている人は増加している
図3.7 高等教育の学歴をもつ人は増加している
図3.8 高等教育の留学生数は増加している
図3.9 より多くの女性が働くように
図3.10 男性より高くなる女性の学歴
図4.1 結婚率の減少
図4.2 ひとり親家族の増加
図4.3 合計特殊出生率:1960年代から低下し2000年から徐々に上昇
図4.4 母親になる年齢の高齢化
図4.5 子どもの肥満は増加している
図4.6 処方されるADHD薬は急激に増加している
図4.7 子どもの貧困率は増加傾向にある
図4.8 親の学歴との関係は薄くなっている
図4.9 「子どもは一生懸命努力すべきである」
図4.10 「子どもは想像力をもつべきである」
図5.1 家庭用コンピュータへのアクセスは増加している
図5.2 学校でコンピュータが利用可能となる割合は増加している
図5.3 家庭でのコンピュータ利用
図5.4 学校でのコンピュータ利用
図5.5 世界的に急増するウェブサイト数
図5.6 ウィキペディアの急速な成長
図5.7 子どものいる世帯におけるインターネット接続の拡大
図5.8 ユニバーサルなインターネット利用へ
図5.9 携帯電話がどこでも利用できるようになる
図5.10 モバイルブロードバンド利用の拡大
前書きなど
社会の多様化の広がりは、教育にとってどのような意味を持つのだろうか? グローバルな経済力は、新たな国作りにどのような影響を及ぼしていくのだろうか? 私たちの働き方はどんな風に変わっていくのだろうか?
本書は、こうした問いに答えるための国際的で統計的な根拠(エビデンス)を示してくれる。その内容をわかりやすく伝えるため、それぞれのトレンドについては、見開き構成で、簡単なはしがきと2つの図を示しながら解説が加えられている。解説に続いて、教育の課題についてわかりやすい3つ程度の問いかけをおこない、トレンドが未来の教育に及ぼす影響とその相互作用を考えていく。本書で取り上げるトレンドは、質の高い国際的データに基づいており、OECDのものを主として、世界銀行や国連のものから引用されている。また、それぞれの図は、OECDのウェブサイトと連動し、インターネットを通じて読者がデータを活用できるように工夫されている。
本書は、教育に関心をもつ人々、教師や行政担当者、教育の研究者や指導者、あるいは教育専門家以外の人をも対象として、そうした人々に、教育が直面する課題、学校や大学、生涯学習の現場で生じる課題について、戦略的な思考や考えるヒントを提供できるようにまとめられている。また、親も含めて広く一般の人々や生徒、学生といった人々の関心に応えることができれば幸いである。