目次
はじめに
ペリー横浜へ上陸
1865年 実測図に見る横浜
居留地の商館
港崎遊郭
攘夷事件と関門
国内スポーツの発祥
日本初の競馬会
マリンスポーツ
生糸輸出と売込商
絹の道・利根川
蚕種商人
トワンテ山・フランス山
日本初のビール
山手の湧き水
中国人の進出
武家町だった野毛
伊勢佐木町
日本初の日本語日刊紙
和英辞典と翻訳聖書の刊行
先駆者たち
案内記
寺院
関帝廟
和洋折衷の教会建築
蒸気船
横浜停車場
交通近代化
水不足とし尿処理
電信と国際郵便
ガス灯と電灯
国内の民間製造
外国人写真家
マッチ製造
横浜家具
神奈川奉行所の役人
横浜港
港湾労働者
輸入食品
アイスクリーム
パン製造
牛乳
横浜道
日本大通り
洋風公園の誕生
ホテル
レストラン
喫茶店とビアホール
都市犯罪
交通事故
西洋野菜
食肉
横浜外国人墓地
中華義荘
失われた書類
50年祭
100年祭
史跡の保存・復元
あとがき
前書きなど
はじめに
本書は、2006年4月から2008年3月まで、計56回にわたり読売新聞の朝刊(神奈川版)に掲載された「開港場物語」に、若干の加筆・訂正を加え、1冊にまとめたものです。連載のきっかけは、読売新聞横浜支局から横浜開港150周年を迎えるにあたり、横浜の歴史を題材にした企画記事を載せたいとの申し出があったことで、その後、横浜開港資料館と横浜支局との間で何回かの打ち合わせを行いました。
その結果、ペリー来航から明治時代の横浜の歴史を、横浜開港資料館と横浜都市発展記念館の調査研究員が執筆し、そうした歴史が現在の横浜でどのように根付き、語り伝えられているのかを読売新聞の記者が取材し記事にすることになりました。こうして歴史研究者と新聞記者が共同して紙面を作るという、これまでに例のない興味深い連載が始まりました。
開始当初は、20回程度で終わる予定でしたが、読者にも好評で、最終的に連載は約2年間、56回にも及びました。また、内容も多岐にわたり、横浜の政治や産業の様子、横浜で発生したさまざまな事件や人びとの暮らしぶり、開港以来の伝統を持つ町や商店街の歴史、幕末から明治時代に横浜で活躍した人物にまで話は及びました。
連載にあたっては、読みやすい記述に努めました。本書を手に取り、横浜の歴史に親しんでいただければ、執筆者一同、これ以上の喜びはありません。なお、連載と出版にあたっては、十時武士氏・福地一之氏ら多くの読売新聞の記者、前読売新聞東京本社横浜支局長の荒川隆史氏、現支局長の佐伯和宏氏に大変お世話になりました。また、出版をお引き受けいただいた株式会社明石書店にも厚くお礼申しあげます。
2010年5月 横浜開港資料館館長 高村直助