Amazonへ


中古あり ¥1,727より

(2020/03/30 20:22:27時点)

近くの図書館から探してみよう
カーリルは全国の図書館から本を検索できるサービスです

サハラ以南アフリカ (講座世界の先住民族 ファースト・ピープルズの現在) (講座 世界の先住民族―ファースト・ピープルズの現在)

この本を読みたい

現在位置から探す
詳しい情報
読み: サハラ イナン アフリカ
出版社: 明石書店
単行本: 394 ページ
ISBN-10: 4750327549  ISBN-13: 9784750327549  [この本のウィジェットを作る]
NDC(9) : 382.4

紹介

サハラ砂漠以南のアフリカ諸国約10ヵ国・20の少数民族の歴史・現状を紹介することで、「先住民」という言葉が西欧近代国家という概念によって生み出されたことを示し、人間とは何か、という根源まで問いかける。

目次

序文 先住少数民族について(綾部恒雄)

 はじめに——「サハラ以南アフリカ」について(福井勝義)

第1部 北東アフリカ
 解説 (宮脇幸生)
〈エチオピア〉
 ムグジ  ◇辺境の民へのまなざし(松田凡)
 マロ   ◇アフリカの山に生きる人びと(藤本武)
 メエン  ◇誇り高さを育む文化装置:歴史の日常化(福井勝義)
 オロモ  ◇近代エチオピアの抑圧された最大民族(田川玄)
 マジャン ◇森に棲み、森に生かされる人びと(佐藤廉也)
 ホール  ◇辺境の民の抵抗とジレンマ(宮脇幸生)
 チャラ  ◇他民族との相克と生存戦略(村橋勲)
〈エチオピア・ケニア〉
 ガブラ・ミゴ  ◇難民として、ゲリラとして生きた二〇世紀(曽我亨)
〈スーダン〉
 ベジャ  ◇ヒトコブラクダを介した紅海沿岸域への適応(縄田浩志)
 ナーリム ◇子どもから大人への道:民族間の相克の中で(福井勝義)

第2部 西・南アフリカ
 解説 (竹沢尚一郎)
〈コンゴ民主共和国〉
 ムブティ・ピグミー ◇森の民の生活とその変化(市川光雄)
〈ボツワナ〉
 サン   ◇狩猟採集民から先住民へ(池谷和信)
〈南アフリカ共和国〉
 コイコイ ◇変化と多様性を生き抜く(海野るみ)
〈マダガスカル〉
 ミケアとヴェズ ◇マダガスカル南西部の非農牧民(飯田卓)
〈セネガル〉
 ジョーラ ◇稲作を基盤に平等主義的社会に生きる(小川了)
〈マリ〉
 ボゾ   ◇近代化に見事に適応した先住民(竹沢尚一郎)
〈ナイジェリア〉
 イボ   ◇大規模民族とエスニック・ポリティクス(松本尚之)
〈ナイジェリア・ニジェール〉
 ボロロ(フルベ)  ◇西アフリカ最後の遊牧民(嶋田義仁)

 監修者あとがき
 索引

 編者・執筆者紹介

前書きなど

はじめに——「サハラ以南アフリカ」について(福井勝義:一部抜粋)

(…前略…)
 地球上どこの地域でも同じように、独立した「言語」と「方言」の区別はたいへん難しい。その基準は「我々」意識と結びついており、それも政治や歴史的状況と深く絡み合っているからである。ただ、「我々X」と自称する集団には、人数的に数百人から数千人といった人たちがいる。人口数万人レベルの「民族」になると、アフリカではかなり多くなる。ただ、周囲に数十万、数百万レベルの民族がいようが、彼らはいまも「健在」である。たとえば、ウガンダ北東部のイクやエチオピア西南部におけるコエグは、「消滅の危機」に瀕しているはずなのに、「我々」意識の誇りを失うことはない。「私はコエグ語が話せるのよ」という老人に出会うくらい、母語を話せる人たちは近年とみに少なくなってきている。一度の襲撃で数百人規模の殺戮を繰り返してきた民族からすれば、とっくの昔に滅ぼされていても、と思うことがある。ところが、近隣民族との間に育まれた共存のメカニズムのもとに、それぞれの存在を認めあってきたのである。そうしたエスノシステムの視点から、「先住民」をとらえていくことが大切である。
 アフリカ大陸、あるいは本書の対象としている「サハラ以南のアフリカ」の特徴は、大きく三点ある。ひとつは、なにより人類の発祥地である、ということである。「地球の先住民」なのである。第二点は、長い間「奴隷の生地」として扱われてきたことである。これには、欧米とアフリカという図式だけではなく、アフリカ大陸内の民族関係が大きくかかわっていた。エチオピアでは、イタリアに占領される一九三五年まで奴隷が存在しており、奴隷交易で富を築いた地方の「豪族」は少なくなかったのである。第三点は、アフリカ大陸はすべて、一度は植民地化された、ということである。植民地支配のシステムは宗主国によって異なっているものの、他の大陸に比較するなら、地域に根づいてきた民族社会の特性を基本的に生かしていた。
 今日のアフリカは、「新植民地主義」、さらには「新奴隷主義」にさらされている、ともいわれている。本書では、誇り高く、「したたかに」生きていこうとしている人びとの姿を汲み取っていただければ、幸いである。
powered by openBD
ほかのサービスで見る