目次
● 本書の特色
△ 「表現の自由」をジャーナリズムや芸術に限らず広い視野からとらえ、この問題に関するあらゆる事項を取り上げた。
△ 「検閲」「教育」など、特に重要な問題については論文も収録した。
● 収録項目
学問の自由/広告/芸術/冒涜/焚書/検閲/汚職/独裁/教育/倫理観/映画/表現の自由/情報の自由/ヘイト・スピーチ/ユーモア/インターネット/ジャーナリスト/言葉/図書館/マスメディア/音楽/猥褻/メディアの所有/写真/政治的公正/ポルノ/プライバシー/プロパガンダ/読書/宗教/サミズダート/科学/翻訳/戦争/内部告発者/作家/星星画会
前書きなど
刊行に寄せて 自由な表現をめぐる現状について知っておくべきすべてのこと、またこれまで隠されてきたこと、それを読者諸氏にお伝えするのが本書である。なぜ今、この本を刊行するのか。英国ではこの問題について開かれた議論がなされることはほとんどなく、自由な表現は間違いなく過小評価されているからである。それでも、自由な表現はあらゆる人権の基盤をなすものだ——そして、自らが人間であることを人に感じさせるものでもある。 掲載した文章のほとんどは『検閲時評』(Index on Censorship)に掲載されたもので、末尾に執筆者と発表の日付を表示した。他の資料からの引用については出典を明記した。『検閲時評』の掲載号に関するさらに詳しい情報については、巻末の出典一覧を参照されたい。 検閲は興味深く移ろいやすい問題で、明快な場合もあれば微妙な場合もある。本書では、政府による公式な検閲のほか、非公式な言論弾圧も取り上げた。執筆者のほとんどは自由な言論の熱烈な擁護派だが、擁護派以外も寄稿している。著名な著者もいれば無名の人もいる。 本書は単なる事典ではない。検閲、言論弾圧、そして自由な表現に関する手引書として使っていただければ幸いである。