目次
はしがき
第Ⅰ部 結婚から始まる家族
第1章 様変わりする結婚式(蓼沼康子)
1 結婚式を見届けるもの
2 伝統的な婚姻儀礼
3 夫婦になる手続き
4 多様化する結婚式と結婚の意義
第2章 結婚しない・できない若者たち(八木 透)
1 婚姻研究の視点
2 結婚しない若者たち
3 未婚化の背景と近代家族
4 結婚の意味と条件
5 未婚化への向き合い方
コラム1 時代とともに変わる成年儀礼(中野 泰)
第Ⅱ部 近代家族のライフスタイル
第3章 nDKと家族空間のいま(宮内貴久)
1 nDK型住宅の普及
2 福岡市営弥永団地の建設と団地住民
3 弥永団地の間取りと子ども部屋
4 居住環境の整備と公営団地の増改築
第4章 家族の記録と記憶(福田アジオ)
1 肖像と記憶
2 家族の変化と写真
コラム2 パートナーのかたち(八木 透)
第Ⅲ部 家族のかたちと家事分担
第5章 家族の境界(林 研三)
1 家族という「容器」
2 現代日本の家族の実態
3 単独世帯のあれこれ
4 民俗学と「無縁死」
第6章 家事の担い手(倉石あつ子)
1 家事とはなにか
2 若者たちの生活実態と地域社会の感覚差
3 家事内容と家事分担者の実態
4 介護という家事
5 内容も担う人も多様化する家事
コラム3 サイフとヘソクリ(中込睦子)
第Ⅳ部 社会とつながる家族
第7章 セーフティネットとしての親族(谷口陽子)
1 親族はセーフティネットなのか
2 日本社会における親族のセーフティネット機能の強調
3 現代日本における親族とセーフティネット機能
4 セーフティネットとしての親族・アメニティとしての親族
第8章 イエの維持とムラの存続(中野紀和)
1 暮らしの場の存続を考える
2 栄村の概況と変遷
3 「歴史」の中の小滝
4 田を維持し活用する
5 寄り合う場・共有財としての公民館
6 暮らしの場の再生と維持にむけて
第9章 都市生活を支える連帯と協働(中野 泰)
1 都市の生活と自治会
2 東京都立川市柴崎地区の自治会
3 組と講
4 自治会活動としての夏祭り
5 都市における連帯の実像とその可能性
コラム4 見えないものが顕れる災厄(中野紀和)
第Ⅴ部 生と死の個人化と家族
第10章 出産という問い(靍理恵子)
1 出産の自明性の喪失
2 お産をめぐる問題の諸相
3 民俗学におけるお産の研究
4 望ましい出産環境を考える
第11章 変わりゆく葬送(蒲池勢至)
1 葬儀会館の登場
2 葬送儀礼の過去と現在
3 家族葬と直葬
4 葬送の現代的意味
第12章 「先祖」の喪失と混迷する葬送秩序(森 謙二)
1 混迷する葬送の秩序
2 葬送の〈家〉レジームと祖先崇拝
3 近代の墓地埋葬法の仕組み
4 葬送の〈家〉レジームからの脱却
コラム5 高齢者の居場所(倉石忠彦)
第Ⅵ部 家族のあり方を規定する観念の世界
第13章 血縁という考え方(岩本通弥)
1 多様化する家族の中での血縁
2 血縁観念の日韓比較――民法規定と生殖医療
3 養子縁組と血縁観――東アジアの養子の特徴とその変容
4 血縁をめぐる諸問題の現在地
第14章 家の歴史認識(矢野敬一)
1 家の歴史をかたち作る仕掛け
2 家の連続性
3 家とその歴史認識の終焉
第15章 現代日本の家族・これまでとこれから(中込睦子)
1 いまどきの家族事情
2 家族をとらえる視点――「家」と「近代家族」
3 家族の戦後そして今後
4 本書がとらえた現代日本の家族
あとがき
索 引