目次
はじめに
第Ⅰ部 絵を読むこと
第1章 絵本の絵を読み解く──絵本を演出する絵の諸機能とその効果
第2章 物語絵本の絵を読み解く──物語を演出する絵本表現
第3章 昔話絵本を読み解く──伝承文学の視覚化
第4章 ファンタジー絵本を読み解く──子どもの空想世界の絵本表現
第5章 ポストモダンの絵本を読み解く──絵本の常識を破る絵本表現
第6章 赤ちゃん絵本を読み解く──絵本の共同注意が、豊かな経験を育む
エッセイ
① 宮沢賢治──宮沢賢治の童話絵本をめぐって
② ディック・ブルーナーシンプルでありながら、見る人のイマジネーションをかきたてるブルーナ・スタイル
③ 絵本の絵──「14ひきのシリーズ」の絵
④ 「たいこさんトコトコ」
⑤ ビアトリクス・ポター──生涯、自然を愛し、守った画家
第Ⅱ部 さまざまな作品の絵を読む
◆古典作品 海外
① 『100まんびきのねこ』──描くことへの情熱がつくり出した独創的な画面構成
② 『かもさん おとおり』──アメリカ絵本黄金時代の先駆者
③ 『ちいさいおうち』──見えない時間を表現した
④ 『もりのなか』──子どもの遊びの世界を描くファンタジー
⑤ 『おやすみなさい おつきさま』──子どもの心に寄り添った絵本を求めて
⑥ 『三びきのやぎのがらがらどん』──昔話絵本の最高傑作
⑦ 『すてきな 三にんぐみ』──読者を常識から解放する作家
⑧ 『かいじゅうたちのいるところ』──子どもの心の葛藤を描くファンタジー
⑨ 『ロバのシルベスターとまほうのこいし』──闘病と少年時代の体験
⑩ 『ジョゼフのにわ』──シンプルで重厚な心の物語
⑪ 『お友だちのほしかったルピナスさん』──今をファンタジーに描く
◆古典作品 日本
① 『かばくん』──絵と言葉のおおらかな響きあい
② 『スーホの白い馬』──物語の演出家
③ 『わたしのワンピース』──なによりも子どもの視点に立って
④ 『ぐるんぱのようちえん』──絵本表現の到達点を示す作品
⑤ 『やっぱりおおかみ』──「絵本」か「マンガ」か、やっぱり「絵本」
⑥ 『ねずみくんのチョッキ』──緻密さが生み出す究極のシンプル
⑦ 『いちご』──風の彫刻家
⑧ 『はじめてのおつかい』──「絵で物語る」絵本
⑨ 『もこ もこもこ』──乳幼児のことばの感性を育む絵本
⑩ 『やまなしもぎ』──昔話絵本の絵を読み取る
◆現代作品 海外
① 『さかなは さかな』──自分探しの旅に生きた芸術家
② 『アンジュール ある犬の物語』──静謐な空間にひそむ凛とした孤独と深遠な情感
③ 『急行「北極号」』──切り取られた一瞬と広がる空間
④ 『おんぶは こりごり』──絵本の中に仕掛けられた手がかりを読み解く
⑤ 『三びきのコブタのほんとうの話──A・ウルフ談』──パロディ絵本を読み解く
⑥ 『ソリちゃんのチュソク』──美的伝統の継承と固有の文化の探究
⑦ 『綱渡りの男』──ツインタワーの惨劇を忘れないために
⑧ 『悲しい本 SAD BOOK』──絵とテキストの名指揮者
◆現代作品 日本
① 『とらのゆめ』──緑色のトラが見た夢の正体
② 『ごんぎつね』──文学作品の絵本化のむずかしさとおもしろさ
③ 『バムとケロのにちようび』──絵を読む醍醐味に満ちた絵本
④ 『みずまき』──いのちを描いた画家
⑤ 『ごめんね ともだち』──“おもしろさ”を演出する巧みな表現
⑥ 『はっぴぃさん』──もう一つの物語を絵で表現
⑦ 『ぼくがラーメンたべてるとき』──絵本ならではの表現を追求
⑧ 『くまとやまねこ』──二つ、あるいは三つの光源が照らすもの
⑨ 『つみきのいえ』──記憶を描く
⑩ 『100かいだてのいえ』──創造する力と想像する力が生み出す絵本
おわりに
人名索引/作品名索引/事項索引