目次
はじめに 私たちの視点【西城戸誠/宮内泰介】
1 宮城県石巻市北上町の被害概要と地域社会
2 北上町への私たちのかかわり
3 本書の狙いと「聞き書き」という手法
第1章 北上町復興の概論・概史
1 北上町の概況【平川全機】
1 北上町というところ
2 橋浦地区の地理と歴史
3 十三浜地区の地理と歴史
4 北上町の生業──橋浦地区と十三浜地区
5 契約講という組織
6 暮らし
2 北上町の自然環境と地域社会【宮内泰介】
1 北上川のヨシ原と人のかかわり
2 多様な自然と地域による管理
3 東日本大震災の概況と北上町の被害【平川全機/黒田 暁】
1 全国の概況
2 震災当日の様子
3 避難生活
4 仮設住宅での暮らし
5 被害のまとめ
6 復興に向けた動き
第2章 住まいの再生と住民たち
はじめに【平川全機】
1 鈴木昭子さん「小さいなりにも魅力のある町に」【構成/平川全機】
2 及川正昭さん「ここに一生いるつもりで家も建てたし、直したんです」【構成/平川全機】
3 高台移転をめぐる制度・地域・世帯【平川全機】
1 はじめに──新しい町並みを求めて
2 高台移転の経緯──住民の動きと制度・計画
3 高台移転に伴う諸問題
4 集団移転を振り返って──今後の課題
第3章 なりわいを再生する ⑴ 十三浜の漁業
はじめに【黒田 暁】
1 千葉治彦さん「音だったり、匂いだったり。漁師は海のそばに暮らさないと仕事ができない」【構成/髙﨑優子】
2 西條 武さん「鵜の助を立ち上げたことは間違いではなかった。その実感を得たいんです」【構成/髙﨑優子】
3 佐々木昭一さん「漁業を再開するきっかけは、お客さんたちからのメッセージでした」【構成/宮内泰介】
4 選択と復興──十三浜の漁業復興をめぐる協業化の実践から【髙﨑優子】
1 はじめに──人びとの選択と漁業の復興
2 漁業復興をめぐる制度・議論
3 漁業復興をめぐる選択
4 十三浜の漁業復興のゆくえ
第4章 なりわいを再生する ⑵ 橋浦の農業
はじめに【黒田 暁】
1 大内 弘さん「いまは無理をしてでも請け負うことが、地域の農業を支えることにつながる」【構成/黒田 暁】
2 今野力也さん「五年後、十年後に地域農業の受け皿になるようなまとまりをつくるんだ」【構成/黒田 暁】
3 震災後の地域農業の展開と生業復興【黒田 暁】
1 はじめに──震災後の地域農業のゆくえを考える
2 北上町の生業としての農業
3 東日本大震災による農地被害と復旧事業
4 農地の復旧が農業の復興ではない
5 震災後の地域農業の展開
6 「農地集積」に適応すること
7 おわりに──地域農業を支え合う
第5章 コミュニティを再生する
はじめに【西城戸誠】
1 佐藤尚美さん「自分が楽しくてやっている、ただそれだけです」【構成/髙﨑優子】
2 武山喜子さん「一体いつになったら落ち着くのだろう、と考えてしまいます」【構成/武中桂・庄司知恵子】
3 佐藤満利さん「ずっと伝わってきた神楽が、自分たちの代で終わるのはいやだった」【構成/髙﨑優子】
4 横山宗一さん「土地のものをまず充分に理解して、活用するということしかない」【構成/西城戸誠】
5 震災復興と女性──子育てを通した女性の営み【庄司知恵子/武中桂】
1 「支援」と「活用」の狭間で動く女性たち
2 「抱えているもの」があるなかで
3 子育てを通した地域への気づき・地域の築き
4 「場」の創出
6 コミュニティの再生へ【宮内泰介】
1 はじめに──「コミュニティ」への思い?
2 「伝統的」コミュニティ
3 仮設住宅のコミュニティ
4 さまざまな新しいコミュニティ
5 移転をめぐる「コミュニティ」問題
6 コミュニティのゆくえ
第6章 復興とは何だったのか?
はじめに【西城戸誠】
1 今野照夫さん「自分は生かされた人間。今やらなければいつやるんだ」【構成/宮内泰介】
2 日方里砂さん「北上に行って、私自身も変わったと思います」【構成/髙﨑優子】
3 北上町の復興応援隊からみる、地域サポート人材の役割と課題【図司直也/西城戸誠】
1 北上町の復興応援隊に着目する理由
2 被災地における地域サポート人材導入への流れ
3 北上町における復興応援隊の展開──関係主体の構図
4 復興応援隊の活動プロセス──主要隊員三名の実践
5 北上町における復興応援隊の役割
6 復興応援隊が抱いている今後の展望
7 北上町における復興応援隊の課題
まとめにかえて 北上町の復興プロセスの現状と今後の展開【西城戸誠】
1 はじめに──本書を振り返って
2 復興メニューと地域住民の関係性──住民不在の復興プロセス
3 制度に翻弄される個人──制度と生活の時間のズレ
4 生業の復興における「強いられた主体化」の意味
5 復興に向けた主体性の醸成とその支援
6 実践的な社会調査の帰結と課題
あとがき