目次
序章 二つの帝国の物語──後発植民地主義としての日本とアメリカ
はじめに
一 植民地主義のレイトカマー
二 国家の卓越性
三 地政学の帝国
四 非公式の帝国と汎ナショナリズム
おわりに
第Ⅰ部 帝国と国民国家のせめぎあい
第1章 フィリピンと合衆国の帝国意識
はじめに
一 リベラル例外主義とフィリピン
二 例外主義を超えて
三 後見人としての支配とその辺境的起源
四 創出された政府
おわりに――帝国意識と流用
第2章 戦後日本とフィリピンのエリートの継続性──アメリカの影響
はじめに
一 戦後日本におけるアメリカの占領政策と改革
二 戦後フィリピンにおけるエリートの再生
三 対日協力問題
おわりに
第Ⅱ部 錯綜するイメージ――国民国家・ナショナリズム・戦争
第3章 日本との戦争、アメリカとの戦争──友と敵をめぐるフィリピン史の政争
はじめに
一 アメリカと日本に対するフィリピンの戦争を比較する
二 アルテミオ・リカルテ――フィリピン・アメリカ戦争の退役軍人、横浜への亡命者
三 ホセ・P・ラウレル大統領――日本占領下で未完の革命を呼び起こす
むすびにかえて――解放と一九四六年の独立
第4章 二つの戦後六○年──比米戦争と第二次世界大戦の記憶と哀悼
はじめに
一 対象喪失論と戦争の記憶
二 比米戦争の記憶と哀悼
三 日本人戦没者をめぐる哀悼と戦争の記憶
四 比較と対照
おわりに
第5章 象徴天皇制とホセ・リサールの神格化との比較考察
はじめに
一 ジョン・ダワー『敗北を抱きしめて』を読む
二 アメリカ植民地期フィリピンにおける「恩恵的同化」政策――戦後日本のひとつの起源として
三 フィリピンにおけるホセ・リサールの神格化
四 戦後日本の象徴天皇制
おわりに
第Ⅲ部 三つの主体の出会い――アメリカ・日本・フィリピン
第6章 対抗する陰影〈日本〉と〈アメリカ〉──フィリピン系アメリカ人の想像のなかで
はじめに
一 植民地期――モンカドとロムロ
二 戦後――ゴンザレスとサントス
三 二○世紀後半――ブレイナードとホルス
おわりに
第7章 権力の三重奏──フィリピン人、日本人、植民地権力の場所
はじめに
一 越境者の表象と多角的翻訳空間
二 「アジアのアメリカ」を求めて
三 優しい(マランビン)「アメリカ」男性
四 「アメリカ」の裏切り
おわりに
第8章 アメリカの磁場のなかの自己形成──山口百恵と小泉元首相をとおしてみるヨコスカと戦後日本のねじれ
はじめに
一 山口百恵が表わす横須賀
二 日本の郷愁への回帰
三 基地の街の小泉元首相
四 分裂するアメリカ・イメージ
おわりに
あとがき
索引