目次
はじめに
第Ⅰ部 マスメディア編
第1章 物語の公共性とメディア
「シニック・ナショナリズム」を超えて(津田正太郎)
1 氾濫する「シニカルな物語」
2 社会理論における物語概念
3 戦後日本の「大きな物語」
4 物語の公共性の条件
5 シニック・ナショナリズムを超えて
第2章 新聞メディアにおける人種問題の変遷
トレイヴォン・マーティン射殺事件報道の分析から(兼子 諭)
1 社会の自己記述としての新聞メディア
2 『USAトゥディ』紙にみる喜劇としての人種問題
3 『ニューヨーク・タイムズ』紙にみる人種問題の「脱主題化」
4 『タンパベイ・タイムズ』紙にみる人種的分断の物語
5 『ロサンジェルス・センティネル』紙にみる黒人間の悲劇という物語
6 人種問題の「脱主題化」と人種問題報道の多元化
第3章 インターネットのメディア公共圏と物語
『14才の母』のBBSとドラマ制作の関連を事例に(西田善行)
1 『14才の母』公式サイトBBSの投稿と制作への影響
2 日本におけるインターネットと公共圏論
3 機能システムの観察としての公共圏
4 メディア公共圏とドラマ制作
5 おわりに
第Ⅱ部 都市編
第4章 文芸的公共圏としてのレコード喫茶の生成過程
戦前の複製芸術文化を中心に(加藤徹郎)
1 なぜ公共圏の枠組みでレコード喫茶を語りうるのか?
2 1930年代における、ジャズ喫茶の生成過程
3 文化創出の場としてのレコード喫茶
4 戦後のジャズ喫茶、政治的言説が交錯する物語の場として
第5章 モバイル・メディアと都市経験
極端なユーザーに見るその可能的様態(土橋臣吾)
1 モバイル・メディアと都市という問題
2 〈ポスト80年代〉におけるモバイル・メディアと都市空間
3 「極端なユーザー」は都市とケータイをどう使ったか
4 都市に関与するためのモバイル
第Ⅲ部 映像編
第6章 電子映像の遍在性とヴィデオアート
もうひとつの批判的実践の鉱脈(河合政之)
1 電子映像メディア社会への批判的実践としてのヴィデオアート
2 電子映像のオブジェクト性
3 電子映像の記号的分析
4 映像的思想のあらわれに向かって
第7章 映像環境の物語と切断による規範理論
「わかりにくさ」の認知をめぐって(金井明人)
1 映像と規範理論
2 映像環境と規範理論
3 映像環境による物語
4 「わかりにくさ」の擁護へ向けて
5 映像環境の物語と規範理論による公共圏
おわりに
人名・事項索引