目次
序章 規範の深度──環境と公共圏を論じるために(池田寛二・堀川三郎)
1 50年前の問いかけ
2 公共圏と新しい想像力
3 環境問題と規範理論──本書のねらいと特徴
4 規範の深度──本書の構成
第Ⅰ部 総論:公共圏とその規範問題
第1章 環境制御システムの介入深化の含意と条件──循環と公共圏の視点から(舩橋晴俊)
1 理論的視点の整理
2 公害問題の解決──A段階からB・C段階へ
3 環境配慮の中枢的内部化──C段階からD段階へ
4 おわりに
第2章 多義的な環境価値とその保全──私権制限からみる都市環境保全ルール(長谷部俊治)
1 都市環境の多義性
2 私権制限からみる都市環境の価値
3 土地所有権の制約
4 制度構築に向けた方向
第3章 社会計画としての気候変動政策と所有制度の公共的再編(池田寛二)
1 はじめに──社会政策・社会計画・気候変動政策
2 21世紀における社会計画の課題
3 現代における社会計画の主体像──グローバル化と個人化のはざまで
4 現代社会における公共性と所有制度
5 没公共的私有社会と個人化
6 現代の社会計画とサブシディアリティの原理
7 おわりに──東日本大震災と福島第一原子力発電所事故を契機に
第Ⅱ部 《開発・公害問題》期
第4章 環境問題をめぐる不確実性と解決原則──熊本水俣病問題を手がかりに(矢作友行)
1 はじめに
2 不確実性としての環境問題への基本的視点
3 熊本水俣病問題における不確実性と判断の過誤
4 不確実性下における環境問題解決の規範的原則
5 おわりに
第5章 「状況の定義」の共振がもたらす政治的機会──カネミ油症仮払金返還問題の決着過程(宇田和子)
1 はじめに
2 仮払金返還問題の発生と特例法成立
3 仮払金返還問題をめぐる「状況の定義」
4 仮払金返還問題の決着過程の示唆
5 おわりに
第6章 河川事業における科学技術をめぐるポリティクス(角 一典)
1 はじめに
2 科学技術と民主主義
3 事例の概要
4 基本高水流量をめぐる審議過程
5 考察
6 おわりに
第7章 リスク認知特性と住民合意形成──廃棄物処理施設整備を視点として(南ひかり)
1 はじめに
2 住民合意形成の新たな課題
3 環境リスクの認知特性
4 関係住民の多元化
5 よりよい合意形成に向けて
6 おわりに
第Ⅲ部 《サスティナビリティ探究》期
第8章 「近くの山の木で家をつくる運動」の形成──「ローカル・マーケットの危機」が問いかけるもの(大倉季久)
1 何が森林管理を衰退させるのか
2 持続可能な森林管理のメカニズム
3 「近くの山の木で家をつくる運動」の形成
4 「近くの山の木で家をつくる運動」の政策論的含意
第9章 ISO14001「環境マネジメントシステム」認証制度の課題(竹原裕子)
1 はじめに
2 調査手法
3 調査結果
4 ISO14001認証制度の課題
第10章 地域自然エネルギー政策・市場の形成──「政策文化」と「エージェンシー」の視点から(古屋将太)
1 はじめに
2 地域自然エネルギー政策・市場形成の潮流
3 分析枠組みの検討──「政策文化」と「エージェンシー」
4 地域自然エネルギー政策・市場形成の媒介
5 おわりに
第11章 地球環境問題に対する環境教育プログラム──デザインと計画・評価のための理論とモデル(美﨑登紀子)
1 はじめに
2 地球環境問題に対する環境教育プログラムの目標設定
3 環境教育プログラムへの行動変容理論の適用
4 環境教育プログラムの「計画と評価」──プログラム評価
5 プログラム評価と行動変容理論の統合フレーム──「PRECEDE-PROCEEDモデル」
6 おわりに
第12章 アジアにおけるインフォーマルリサイクルの環境社会学的考察(森岡佳大)
1 はじめに
2 アジア圏における資源循環の実態──問題の所在
3 受益圏・受苦圏からの現状分析
4 適正リサイクルシステム構築へ向けた政策提言
5 おわりに
人名・事項索引
執筆者紹介