目次
はじめに (鈴木 智之)
第1章 〈場〉の力──ケア行為という発想を超えて(三井 さよ)
一 〈場〉という発想
二 〈場〉がなしうること
三 〈場〉の力を育む工夫や仕組み
四 ケア行為という発想の限界
五 〈場〉にケア提供者はどう働きかけるのか
六 ケア行為という発想を超えて
第2章 名付けられぬものとしての「介助」── 障害の親をもつ子どものリアリティ(土屋 葉)
一 子どもは介助に「慣れて」いるのか?
二 子どもが行なう「あたりまえの行為」
三 有償の介助者として働くことと、その葛藤
四 子どもにとって「介助」とは
第3章 アイデンティティを保ち作るケア──若年認知症の人の新しい社会関係と自己への移行をめぐって(井口 高志)
一 「その人らしさ」を保ち作ろうとする家族と本人
二 デイサービスAに集う人々の語り
三 本人のアイデンティティを保ち作る
四 家族によるアイデンティティの維持から見えてくること
第4章 受ける側からみる「介護」──ホームヘルプサービスを利用する高齢者の語りから(齋藤 曉子)
一 「介護」の多様化と受ける側の意識
二 インタビュー調査の概要
三 「介護」を受けることの認識
四 「介護」に何を求めるのか?──「仕事」と「会話」の狭間で
五 家族や近隣の人による「介護」
六 受ける側にとっての「介護」
第5章 遠距離介護と同居問題──「なぜ?」はどのように語られるのか(中川 敦)
一 遠距離介護の社会学に向けて
二 家族介護研究における「なぜ?」
三 なぜUターン同居をしないのか?
四 なぜ呼び寄せ同居をしないのか?
五 遠距離介護のリアリティ
第6章 悲しむ主体としての看護師──遺族ケアの手前で考えるべきこと(鷹田 佳典)
一 医療従事者による「遺族ケア」の前提を問いなおす
二 患者の死を経験する
三 遺族との関わりの継続とその困難
四 悼む過程をともに
第7章 未決の問いとしてのがん告知──その後を生きる患者の語りから(田代 志門)
一 病院から在宅へ
二 日本におけるがん告知
三 在宅がん患者の告知体験の語り
四 告知後のケアを考える
五 「個人誌の断絶」を生きる困難
第8章 死にゆこうとする身体のために──応答としてのケアとその臨界(鈴木 智之)
一 呼びかけに応えるということ
二 父の最後の二日間について
三 そこに「人がいる/いない」ということ
四 剥き出しの身体
五 その身体の傍らに居続けるために
あとがき
人名・事項索引
執筆者紹介