目次
序論 解釈者の国家像を批判する〈国家〉の動態性──ヘーゲル『法の哲学』に対する対立的な評価からの脱却をめぐって
第一章 家族・市民社会・国家の人倫的な再建
第一節 生命ある善としての家族──人倫的な実体のはじめの姿について
第二節 市民社会の人倫的な再編──〈コルポラツィオン〉導出論理
第三節 国家生成の論理──「最初のもの」としての国家の現実的な主体性について
第二章 国家を動かす個人
第一節 自己意識の思考としての国家──国家への人格の関与形態
第二節 個々人は普遍的な意志を担いうるか?──人民を精神ととらえる意味
第三節 人倫的な理念の超越と実在の間──革命の権利づけをめぐって
第三章 国家システム
第一節 君主の無意味性──「君主」の使命
第二節 統治と市民社会の差異の意義──統治権の恣意性排斥をめぐって
第三節 習俗の顕現場としての議会──その有能性発揮の場面
第四節 戦争を必然とみることの意味──相互承認の積み重ねとしての国際関係
第四章 国家の論理と教養形成
第一節 国家を動かす自由な意志の論理と、恣意の教養形成的な役割
第二節 国家の形態化の論理──踊る国家
第三節 教養形成の鏡としての国家──国家の正当性について
第四節 経験場における自由の教養形成──「教養」としての「文化」概念
補論第一 理念と時間──ヘーゲルにおける「現在」の理解
補論第二 自然と和解する精神──成熟期ヘーゲル精神哲学の一根本間題
結語 自由による差異の承認──ヘーゲルの政治論理と民主主義の具体化
あとがき
初出一覧
文献
索引