目次
はじめに ポストコロニアル的な生をめぐる断想
序章 閾の思考──他者の眼差しのもとで
はじめに
第一節 他者とナルシシズム
第二節 日本文化と私のあいだ
第三節 他者としての自文化
おわりに
第一章 思想を紡ぎだす声──はざまに立つ歴史家 安丸良夫
第一節 民衆を記述する
第二節 困難なる主体―通俗道徳論
第三節 跳躍する主体―世直し論
第四節 主体と権力―天皇像論
第二章 ポストコロニアリズムという言説──ホミ・バーバ その可能性と限界
はじめに
第一節 国際都市ボンベイとパールシー
第二節 バーバの芸術・宗教論―「アウラとアゴラ」
第三節 ポストコロニアル状況下のネイション論―「散種するネイション」
第四節 コスモポリタニズム論へ―『文化の場所』以降
第三章 他者と共に在ること──ディアスポラの知識人 タラル・アサド
第一節 ディアスボラの知識人としてのタラル・アサド
第二節 『自爆テロ』―西洋リベラリズムの批判
第三節 アサドの思索―受苦と他者
第四節 ポストコロニアリズムと世俗主義
第四章 外部性とは何か──日本のポストモダン 柄谷行人から酒井直樹へ
第一節 柄谷行人における「内部/外部」
第二節 外部性と他者
第三節 外部性から普遍性へ
第四節 普遍性と祭祀不能なもの
第五章 モダニティ・帝国・普遍性──「近代の超克」と京都学派
第一節 絡み合った言説―西洋とアジア
第二節 モダニティの内部と外部―外部性の探究
第三節 「近代の超克」と「世界史的立場と日本」―現在性をいかに発話するか
第四節 普遍性の両義性―帝国と植民地
第五節 他者と暴力―身体の深みから
第六章 帝国の記憶を生きる──ポストコロニアル批評と植民地朝鮮
第一節 メトロポリタン・ディアスポラのポストコロニアル批評
第二節 トランスナショナル・ヒストリーと民族主義
第三節 異種混淆性とグレーゾーン
第四節 転向と絶望
第五節 サバルタンと恥辱
終章 故郷への帰還──ガヤトリ・チャクラヴォルティ・スピヴァクから山尾三省、そしてジョルジョ・アガンベンへ
第一節 国民的主体という欺瞞―「私」は「あなた」にはなれない
第二節 特異性としての故郷―スピヴァクの批判的地域主義
第三節 場所で暮らす決意―山尾三省の故郷性
第四節 戦後という言説空間の終焉―アガンベンの例外状態
あとがき 震災の後に──アイデンティティの傷について
出典・初出一覧