サラリーマン@Yoga好き❤️さんの書評 2025/10/22
司馬仲達という人物に何となく惹かれて本書を手に取った。本書の構成は、彼の生涯、哲学、人間学を、三国時代における戦争や政争の中でどのように体現したかを通して紹介しており、最終章では「彼から何を学ぶべきか」がまとめられている。
個人的な見解としては、三国志の背景を十分に理解している読者であれば、最終章だけを読んでも要点を把握できると感じた。また、序章では「なぜ司馬仲達が嫌われるのか」という点を著者独自の視点で分析しており、その内容も興味深い。特に、彼の身体的特徴として「首を180度回転させることができた」とされる点を、嫌われる理由の一つとして挙げる発想はユニークで印象に残った。
本書から今後の自分に生かせそうな点としては、以下の4点である。
① 常に人生に対して前向きであること。
② 行動を起こす際には、客観的な条件が整うまで待つこと。
③ 待っている間も何もせずにいるのではなく、情報を集め、それを弁証法的に検討すること。
④ 機が熟したと判断したら、ためらわず迅速に行動すること。
発行年が1993年とやや古い点は気になったものの、司馬仲達という人物に対して現代的な共感を覚える部分も多かった。特に、彼が「悪役」とされがちな背景には、近年の『鬼滅の刃』などで描かれる“敵側にもある物語”の視点と共通する要素があると感じた。もし諸葛孔明の敵役という枠を越えて、彼自身の過去や信念に焦点を当てて描くことができれば、司馬仲達の評価はより高まるのではないかと思う。
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