目次
第1章 今なぜ自然アクセスなのか――遠く離れた自然を取り戻す
1 どれほど「遠くなった」のか?
2 なぜこんなに自然が遠くなったのか?
3 過少利用のパラドックスの内実
4 あらためて問われる「自然は誰のものか」
第2章 ノルウェーの旅――万人権が紡ぎ出す人と自然の関係
1 旅の準備
2 万人権の実際――春
3 夏のベリー摘み
4 幼児教育と万人権
5 冬の万人権
6 まとめ――万人権の実像
第3章 スウェーデンの旅――長く国民に支持されてきた万人権
1 アクセスを楽しむ場としての自然の広がり
2 スウェーデンの人々の野外生活のひとこま
3 世代を超え、自然アクセスを楽しむために
4 技法と作法を身体で覚えて楽しむ野外生活
5 組織的な野外活動の基盤をつくる政府とアソシエーション
6 就学前教育と家族が育む自然アクセス
7 野外活動の背後を成す童話の世界を旅する
第4章 フィンランドの旅――自然に親しむ者が自然を守る
1 森と湖の国フィンランド
2 フィンランドの森にアクセスする
3 フィンランドの水辺にアクセスする
4 フィンランドの自然アクセスの課題と対応
第5章 英国の旅――変化しつづける自然アクセスの世界
1 コモンズ保全から自然アクセス制へ――市民が獲得した権利
2 自然アクセスを可能にするしくみ
3 自然を愛でる文学や思想が持つ力
第6章 スイスの旅――身近な森を気軽に楽しむ人々
1 クリスマスのチューリヒ
2 普段の暮らしに溶け込む森
3 子ども時代から育まれる森との関係
4 スイスの森林アクセス権――権利と責任
5 森へ誘う道と標識
6 スイスの人々の多様性
第7章 ドイツの旅――自然の中をガシガシ歩く
1 森の国ドイツ
2 森や村落風景などを楽しむヴァンデルング
3 森林アクセス権への道のり
4 ドイツの森林アクセス権
5 なぜドイツの人々はヴァンデルングが好きなのか?
第8章 米国の旅――強固な私有制下で創り出される自然アクセス
1 自然アクセス事情と自然
2 ノースカロライナ州の自然アクセスを訪ねて
3 米国における自然アクセスを実現するしくみ
第9章 日本の旅の始まり――日本は自然アクセスに恵まれた国か
1 日本人の自然に対する眼差し
2 自然の恵みをともに享受する考え方
3 海辺の危機からの問い「浜辺は誰のものか」
4 伝統的コモンズを拓く自然アクセスの試み
第10章 旅の終わりに――「みんなの自然」への道筋
1 初心者トラベラーの旅ノート――人と自然を近づけるには
2 旅から考える自然アクセスの未来――自然アクセス制を創るには
3 自然アクセス研究の源流から未来を見つめる