紹介
2015年に刊行した、トリアーデ経済学3 マクロ経済学入門の第2版。
大学ではじめて経済学に接する読者を想定し、高校の政治・経済と経済学の架け橋となるトリアーデ経済学3部作シリーズの1つ。
第2版では、初版を用いて講義を行った経験から、前期15回後期15回年間4単位の大学講義で使いやすいように説明の順番の変更など改訂を行った。
序章から順に学んでいくことで、シンプルな枠組みを用いた理解から、新たな要素を追加したリッチな分析を行うことができるまで順序立てた構成となっている。
また、図表等で用いたデータを最新版に更新しており、理論と現実(データ)相互の関連 を意識しながら学べるようになっている。
一歩一歩着実に大学レベルのマクロ経済学が理解できるよう工夫されたテキスト。
目次
序章 マクロ経済学をどう学ぶか
0.1 マクロ経済学とは
0.2 マクロ経済学の学び方
コラム 経済学では自然対数を使う
第1章 GDPの基礎
1.1 GDP の定義
1.2 三面等価の原則
1.3 産業連関表
第2章 GDPの決定
2.1 短期と長期
2.2 生産物市場の需要
2.3 消費関数
2.4 生産物市場の供給
2.5 生産物市場の均衡と均衡GDP
2.6 均衡GDPの安定性
2.7 均衡GDPの導出
2.8 インフレギャップとデフレギャップ
コラム 経済成長率の寄与度分解とコロナショック
第3章 乗数分析
3.1 政府支出乗数
3.2 政府支出の波及効果
3.3 租税乗数
3.4 投資乗数
3.5 均衡予算乗数
3.6 海外部門を考慮に入れた場合
第4章 貨幣市場
4.1 貨幣の定義
4.2 貨幣の需要
4.3 株価と債券価格
4.4 貨幣の供給
4.5 貨幣市場の均衡
第5章 IS-LM分析
5.1 投資関数
5.2 IS曲線
5.3 LM曲線
5.4 GDPと利子率の決定
5.5 財政政策と金融政策の効果
5.6 流動性のわなのケース
第6章 不完全競争と独占
6.1 不完全競争とは
6.2 価格支配力はなぜ生まれるか?
6.3 独占
コラム ラスパイレス式の応用
6.4 独占的競争
第7章 労働市場の分析と総供給
7.1 総需要曲線の導出
7.2 総供給曲線の導出
7.3 古典派の二分法
7.4 価格の硬直性
コラム ラジア型賃金と長期雇用
7.5 フィリップス曲線
7.6 総供給曲線
7.7 労働市場に対する考え方の違いと総供給曲線
第8章 総需要・総供給分析
8.1 はじめに
8.2 総需要曲線のシフト
8.3 総供給曲線のシフト
コラム オイルショック
8.4 インフレーションとデフレーションが社会に与える影響
第9章 消費
9.1 長期と短期の消費関数
9.2 相対所得仮説
コラム 見栄のための消費
9.3 恒常所得仮説
9.4 ライフサイクル仮説
第10章 投資
10.1 投資の限界効率
10.2 利子率と投資額の関係
10.3 その他の投資理論
第11章 国際収支
11.1 海外部門とマクロ経済
11.2 国際収支表
11.3 国際収支のバランスの意味
11.4 経常収支をマクロ経済の観点からとらえる
第12章 為替レート決定論
12.1 購買力平価
12.2 金利裁定式
12.3 為替レートの理論
12.4 為替レートの時系列的特徴
12.5 開放経済マクロモデル
コラム ビッグマック指数
第13章 財政政策
13.1 はじめに
13.2 財源調達の方法と財政政策の効果
コラム 世代間の公平
13.3 財政赤字と持続性条件
コラム 予算編成プロセス
第14章 金融政策
14.1 日本の金融政策の決まり方
14.2 日銀のバランスシートとマネタリーベース
14.3 最近の日本の金融政策
14.4 ゼロ金利政策、量的緩和政策、マイナス金利政策をIS-LM分析で解釈する
コラム テイラー・ルール
第15章 経済成長の理論
15.1 各国の経済成長
15.2 ソローモデル
コラム k=K/Lから一人あたり資本ストックの成長率Δk/kを求める方法
15.3 内生的経済成長モデル