目次
関数の極限値
微分係数
微分
合成関数の微分
三角関数の微分
指数関数・対数関数の微分
逆三角関数
逆三角関数の微分
対数関数の微分(再)
関数の増減・凹凸とグラフ
ロピタルの定理
第2次・3次・n階導関数
テイラー展開
ライプニッツの公式
前書きなど
本書は「一変数の微分」を扱った問題集です。大学の数学の講義は進度が速く,限られた時間内で多くの内容を消化することは困難であり,その場で理解した気になってもあとで問題を解こうとするとたちまちつまずくということになりがちです。「理解」しただけで安心せず,知識を「定着」させなければ本物の学力が身につきません。学力を向上させるためには反復練習を継続して行うことが大切です。
著者は学生時代に「数学の学習で最も大切なことは繰り返すことである。同じ問題を少なくとも2回は解かねばならない」という格言を目にしました。これは年月を経た今でも心に残っており,ますます言葉の重みをかみしめています。
本書は姉妹本『大学数学 基礎力養成 微分の教科書』に準拠して書かれた問題集で,教科書の流れに沿って問題が並んでいます。ただグラフに関しては『教科書』よりも分量・種類ともに豊富にそろえました。解答を導く過程で計算して得られた値が,グラフの概形と適合しているか確認できるように配慮した点が本書の最大の特色です。関数の式が類似している問題についてはそれらのグラフを比較して,増減表の書き方の共通点を見つける一方で,極値がどのように異なってくるのかを体得して頂きたいです。
各問題には難易度を★,★★,★★★で示し,また解いた日付を記入する欄を設けましたので,必ず「2回」は解いて,基礎学力と継続する精神力を養ってください。
本書の執筆にあたり,美しいグラフを描いてくださった三立工芸の方々,編集・校正で今回もお世話になった吉田拓歩氏には心から感謝申し上げます。
2017年10月
丸井 洋子