紹介
どんな症状の時に疑うべきか、治療や薬で気をつけることは何か、他の認知症(アルツハイマー型)との違い、日常の工夫など、患者自身と専門医が語りつくした。
樋口「診断された時、この本があれば希望が持てた」
内門「認知症に関わるすべての医師・専門職の誤解を解く」
大きな寝言・便秘・嗅覚低下はレビー小体の仕業?
パーキンソン病やアルツハイマー病との違いは?
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著者の樋口は、50歳で「若年型レビー小体型認知症」と診断されたが、41歳の時にうつ病と誤診されて治療で悪化した経験がある。この本では、この病気に精通する内門医師と、この病気の早期発見のポイント、幻視や睡眠障害への対応、薬についての知識や治療で気をつけること、アルツハイマー病との違い等、ケアする側や高齢化社会では誰もが知っておくべきことを徹底的に語る。「認知症になったら人生終わり」ではなく、希望がある病気であることを伝えたい。
目次
はじめに 樋口直美
第一章 レビー小体型認知症とは、どんな病気なのか?
誤解が多く、発見が遅れがちな病気/原因不明の体調不良の場合、可能性あり/レビー小体とは何か/認知症は、どう予防すればいいのか/レビー小体型認知症の歴史/レビー小体がたまる場所で、症状が違う/レビー小体病は薬に対して過敏になる/レビー小体病の人は攻撃的になる、という誤解/レビー小体病に対する適切な治療を/適切な病院の探し方/「あなたはレビー小体型認知症じゃない」と言われる
第二章 レビー小体病 症状と診断と治療
レビー小体病には抗認知症薬が劇的に効く/自律神経症状の一つ、頻尿の治療/レビー小体病は、せん妄を起こしやすい/睡眠障害は、どうすればよいのか/一〇〇%正確な診断はできない/不調を気にしすぎずに、楽しいことをやる/漢方薬で人体実験してみる/診てくれる医師を探すのが大変/医師が長期的にフォローする「継続性」が大事
第三章 パーキンソン病とレビー小体型認知症との関係
レビー小体型認知症に出るパーキンソニズム/長寿になれば、認知症もついてくる/レビー小体型認知症とパーキンソン病の見分け方/レビー小体病を一つのスペクトラムととらえる/ADHDとレビー小体病の関係/薬ではなく、ケアで落ち着く
第四章 幻覚など多様な症状への対処法
幻視が出ない人もいる/オープンダイアローグの技法で話を聞く/幻視のバリエーション/幻視は怖いものではない/幻視への対応、どうするのが正解なのか/幻覚は、異常なことではない/人間は脳にだまされるーー幻聴、幻臭/自分の病気を理解したい/ストレスを避ける工夫/できないことはしないと決めて、人に頼る/具体的な症状への対策・工夫/外出する時の注意点/楽しいことは、脳にとって最高の薬
第五章 病気と医師との付き合い方
「脳疲労」を、どう避けるか?/医師との上手な付き合い方/薬は試してみないと、わからない/うつ病と誤診されて苦しむ人は多い/薬のことは、医師には相談しにくい/症状を改善するものは何か
第六章 最高の治療法とは何か
時間感覚の障害とは何か/視覚で、時間の長さを感じる/病気になって進化していること/本が症状を代弁する/生きがい、やりがいを持つことが最高の治療法/できないことは悪くない
付録(役立つサイト・本・映画・症状集)